「総合学習」は効果があるのか?

 今日のテーマは「総合学習は効果があるのか?」です。1998年の教育課程審議会は「各学校が地域や学校の実態などに応じて特色ある時間を確保するために、総合学習の時間」を設置するという答申を出しました。

 ねらいは「各学校の創意工夫を尊重する」「児童,生徒の興味,関心などに応じて学習を組み立て、自ら学び,考え,解決能力を開発すること」にあります。具体例としましては、「国際交流」「外国語取得」「情報通信」「環境問題」「福祉問題」「健康」などが提示されています。

 2002年度から完全実施されます。効果はあるのでしょうか?

 一方で公立学校は「完全週休2日」になり、授業時間数は減少します。ゆとりの時間も増えます。以前もとりあげましたが、小学過程で、「小数点を教えない」「台形を教えない」「当用漢字を減らす」措置も取られます。

 基礎学力不足も心配されているようですが?

  • 「総合学習」のねらいや主旨は結構なことだと思います。社会で一番「保守的」で頑迷な教育界の改革事業だからでしょう。しかし文部科学省がこまごまと「口出しし」、あとは皆さんでどうぞなどと言うのはおかしいと思う。
  • 中学高校生の関心ごとは、「携帯電話での通信」だと思います。であるならば、「総合学習」でとりあげてみるとかできないのだろうか。関心あることに取り組むのが「総合学習」だろう。連絡も携帯のメール、各自ホームページをつくるように、などとやれば良い。もっとも教員側が対応できない恐れはあります。
  • 週二時間授業が削減されます。土曜日は休日。「受身学習」に慣れている児童,生徒は大丈夫でしょうか?今でも「7:5:3」と言われています。つまり教育過程の当然マスターしなければいけない内容の理解度が「小学校で30%、中学校で50%、高校で70%はわかっていない」そうです。公立学校は授業時間を減らして大丈夫なのでしょうか?

※一方で、進学を目的とする中学高校一貫型の私立中学入試は難しくなるのではないでしょうか。学歴信仰の根強い日本では、この状態では公立中学へ行くと難関大学への入学は可能性は低くなるので、私立中学志向が高まります。公立でも塾や予備校通いが増えそうです。

※「総合学習」を増やすことで、かえって児童,生徒の負担が多くなりやしまいか。

※一方で「検定教科書」などで,強権的に歴史教育を見直すという文部科学省。自己矛盾ではないだろうかと思います。

※「総合学習」でサッカーくじに取り組むとか。森林の保全のために学校保有林をこしらえ体験するとか。「指導員」資格が問題になりそうです。文部科学省が通達する時代ではないでしょう。歴史や文化を自由に学習せよというのなら、「教科書検定」など廃止すべきでしょう。各地の教育委員なども選挙にして、国民各位の「民意」をひきだす工夫をするべきでしょう。

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2002年3月1日