橋本大二郎さんをなぜ支持しなければいけないのか?
 
2003年11月30日が高知県知事選挙。13日が公示であります。選挙戦はいよいよ本格化します。今回の知事選挙では、私は橋本大二郎さんを支持します。理由は年末に予定している高知シティFMでの徹底バトル「けんちゃんどこでもコミュニティ」に出演いただきたいからです。議論好きの橋本さんは面白いからです。
 おべんちゃら質問などしません。徹底的に聞きたいことを聞きます。今回政治的な立場が異なった県職労委員長や、県とは緊張関係にある市民オンブズマン高知代表も交え、「県政徹底討論会」を開催したいからです。
橋本大二郎さんと川竹大輔さん
市民オンブズマン高知代表窪則光さんと自治労高知県職員労働組合中央執行委員長山崎秀一さん
 
スーパースターと「組織」の対決
 
衆議院選挙が終わりますと、今度は高知県知事選挙が始まります。13日が公示です。顔写真入りのパンフレットや後援会入会チラシなどは、10日、11日、12日の3日間しか配布することは出来ません。
 それだけに、挑戦者である前高知市長陣営は、チラシをポストに投函していました。推薦団体や政党も決まりつつあるようです。
 自民党高知県連社民党高知県本部連合高知農協連合会、高知市町村議長会などが、前市長の推薦を決定したらしい。
 一方現職の橋本大二郎氏は、「草の根でやる」「大規模な決起集会はしない。」「大規模な電話作戦もしない」という組織型選挙とは対照的な「草の根」型選挙で対抗しています。
 
 昨年の高知市長選挙。当初前市長は、橋本大二郎知事の真似をし、「政党推薦はいらない。草の根選挙でやります。全国の流れはそうですから」と言っていました。しかし思うように運動は構築されず、対抗馬で出馬した食品会社社長を励ますホテルでのパーティに、四国NO2の創価学会副会長が出席するや否や、「脅威」を察知したのか前市長は「草の根」発言を撤回しました。
 共産党を除く全党派に推薦願いを出し、前市長は頭を下げ、再選されました。
 それがつい1年前の高知市長選挙でした。今回は市長の任期を3年も残しての辞任。どう考えても釈然としません。昨年の市長選挙には約6900万円の市民の税金が費やされました。自分の都合で勝手に市長職を放り出したのですから、退職金などで、「損失補てん」をすべきであると思いますね。

 そのあたり前市長のサイトで確認しましたが、何も触れていません。

http://www.matsuo-tetsuto.com/(松尾徹人後援会HP)

 
しかし疑問が残ります。高知市長を任期3年も残しながら、辞職した人物をなぜ、多くの「組織」の人達が「支援」したり、「推薦」するのでしょうか?それは大いなる疑問です。
 報道によれば、自民党県本部、社民党県本部、連合高知、農協連、市町村議長会などです。このなぞはどう解いていけばいいのでしょうか?
 
それは松尾徹人前高知市長は、組織や圧力に弱い人物ではないかと思われます。高知県政での大きな不祥事に「別件やみ融資事件」がありました。松尾さんは高知県庁の総務部長も歴任されています。その時代にこの「別件やみ融資事件」を総務部長の立場で阻止できませんでした。去年だか高知市長の給与を自主的に何%かカットしていました。
 「わたり」とかいうおかしな給与体系(管理職であろうが平職員であろうがほとんど給与が変わらない賃金制度)の改革や、人事諮問制度(人事移動の前に労組に相談するしくみ」を橋本大二郎さんはすべて廃止しました。松尾徹人さんは、総務部長という制度改革が出来る立場にいながらこうした県政改革には何もしませんでした。
 この県庁の労働組合の既得権益は歴代の保守系の知事の時代に暗黙のうちに形成されてきたものです。保守系同士の骨肉の争いを過去知事選挙で高知県はしてきました。県職労は一方の支援をしてきたのでしょう。橋本大二郎さんは、こうした既成の組織の支援で当選した人物ではないので、アンシャンレジーム(既成組織)の解体に腕をふるえたのではないかと思います。
 
 
自民党については、第一回目の知事選挙で、橋本大二郎さんは大差で、自民党公認候補を破っています。また前回の選挙も、自民党が推薦した県農協連会長にも大差で勝利しています。県議会でも対立する場合も多かったようです。共産党を除く、全党派の推薦を高知市長選挙では受けた松尾徹人さんです。
 
 どこの党派に推薦を出さない。無所属知事で、県民党でやり抜くことは、「スーパースター」の橋本大二郎さんだから出来ます。一介の市民では真似は出来ない手法です。
 今回の政策は橋本大二郎さん自ら起草したものだそうです。結構ボリュームがあります。
特色が出ていると思います。

 http://www2.inforyoma.or.jp/~idea/4th/4thindex1.html(4期目にむけた政策)

 「組織」対「スーパースター」。「組織」対「草の根」の対立図式ですね。

 
今回の知事選挙の背景は何か?
 
 

 地元新聞は12年前の知事選挙の資金疑惑を執拗に報道していました。しかしその発端となったのは、国分川の土地問題でありました。しかし地元新聞では掲載記事を丹念に読んでもよくわかりません。


 このあたりは地元新聞よりも高知民報のサイトに詳しく掲載されています。

問い合わせをしてみましたら、以下のページにまとめてあるとのことです。参考にしてください。

特集 03年県知事選挙と坂本ダム談合 橋本知事の「選挙資金疑惑」

 2003年度と2004年度の分が時系列的に掲載されています。

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/senkyogiwakutop.htm

 

 

 
 いずれも事実にもとづいて冷静な検証がされています。
また県会議員の二神正三さんも独自の見解を表明されています。
 
12年前の知事選挙(1991年)の時も、松尾徹人氏は出馬するつもりでありました。故中内高知県知事は、当時の副知事を後継候補者にしましたが、あまりに評判が悪く、逡巡していました。そこへ松尾さんが、「私なら勝てます。連合なども推薦してくれますし」と働きかけをしていました。
 ところが自民党高知県連から、自民党本部へ出されていた副知事の公認申請が、あっさり受理されました。「ちくしょう竹下派にしてやられた」と当時の地元新聞社幹部は、うめいていました。当時の自民党幹事長は小沢一郎氏。故中内知事は中曽根派だったし、橋本龍太郎氏の実弟の大二郎氏への「配慮」を感じました。
 その証拠に自民党公認候補を相手に戦っている無所属の大二郎さんを応援に、当時は人気絶頂の橋本龍太郎氏が高知へ応援に来ましたから。普通は「除名」その他の行為ですよ。でも橋本龍太郎氏はなりませんでした。
 結果はご存知のとうり、橋本大二郎さんの圧勝で終わりました。そんな訳で松尾徹人さんは、知事にはなれなかったのです。
 1994年に高知市長になってからもチャンスがあれば、知事になりたかったのだと思います。だから市長の任期を3年も残し、今回知事選挙に出馬されたのだと思われます。
 しかし「放り出された」高知市民は大迷惑ですね。また表の「箱物」ばかりこしらえ、多額の借金が後に残されました。高知市三里地区の「エコタウン構想」も地元へ入っての住民説明会にも殆ど顔出ししませんでした。
 
一方の橋本大二郎さんは、県民との対話を重視し、どこへも可能なら出掛け、対話をします。「けんちゃんの吠えるウォッチング」にも「けんちゃんのどこでもコミュニティ」にも来てくれましたし。論争や対立を恐れません。見かけは「やさ男」ですが、なかなか議論好きでタフな人物です。
 組織に依存する松尾徹人さん。草の根の橋本大二郎さん。対照的な同世代の人物です。
 

       なぜ橋本大二郎さんは面白いのか
 
 彼は物怖じしません。天皇を前にしても平静でおられる数少ない日本人だと思います。鳩山由紀夫さんとは竹馬の友の様ですし、実家も政治家一家です。
 市民派を自認し、対話を重視していると言いましても、「貴族性」を私は感じます。市民運動や大衆運動をされたことがないから、「草の根」を自認しても、その「感覚」がわからないのではないだろうかと言う疑念は持っています。
 そうであったとしても「スーパースター」ではあります。知名度やネットワークは凄いものがあります。橋本大二郎さんは、高知県民の「公共財」であると思いますね。一部の県民は常に画策して、引きずり降ろそうとしていました。
 今回のあざとい画策も同じだと思います。「トップダウンは得意だが、ボトムアップは不得意」「上意下達ばかり」という指摘も当たっている部分があるでしょう。でも面白い存在であると思います。
 女性なら彼の振る舞いに母性本能を掻きたてられる部分があるのでしょう。「セクシー」な政治家なのでしょう。私は男ですから、それはわかりません。でも組織や、利権に関係なく、人を集め、動員する力には侮りがたさを感じますね。だから面白いと思います。
 今回は「手負いの獅子」として憤然と県政改革を実行すると言い切りました。どんな県政改革をするのか。県民とポーズではなく真剣に向き合うのか、もう一度、見てみたいと思います。動乱の時代です。「計算高い」人物ではなく、タフで、打たれ強い指導者を市民大衆は求めています。今回の「組織」との戦いは試練でしょう。でもそれをのしきったら、きっと今以上に面白い存在になると思います。
 高知県民はもっと「公共財」として活用すべきであると思いますね。

 (2003年11月12日)