タイトル;竹資源の有効活用について

高知・竹林問題研究会 会員  漁師 明

概 要;  

 近年、需要の急激な衰退に伴い、「竹林問題」という言葉が生まれるほど邪魔者扱いされていた竹が、従来の単なる竹材としてではなく、竹繊維や集製材等の工業素材として見直され、安価で大量に供給できる体制が整えば、大量販売できる道が開けてきた。 竹材は3〜5年で再生産が可能で、「循環型社会づくり」に貢献できるばかりでなく、竹産業における新たな雇用創出により、竹産地の地域経済の活性化が期待できる。ただし、購入する側は大量一括供給が条件だが、竹林侵略から里山を守る為には、小規模ながらも竹の供給を希望する事業者や団体などからの購入も必須条件。  

 竹林問題の解決と、雇用創出による地域活性化のために、小規模事業者の採算性の悪さをカバーする行政等による何らかの緊急支援策が必要となる。ストックする広いスペースの提供や集荷の支援も一手法だし、知的障害者の施設やシルバー人材センター或いは、NPOなどの事業化の支援も考えられる。他県に先を越されないうちに早急に対応すべきである。

内 容; ・竹が、竹繊維や集製材等の工業素材として見直され、安価で大量に供給できる体制が整えば、大量販売できる道が開けてきた。 ・竹林問題の解決と、雇用創出による地域活性化のために、高知県としては、他県に先を越されないように、早急に、行政等による緊急支援策を発動すべきである。

まとめ(訴えたい事); 竹林問題の解決と、雇用創出による地域活性化のために、竹の工業素材としての供給体制の整備を、他県に先を越されないうちに早急に対応すべきであり、そのためには、行政等による何らかの緊急支援策が必要となる。 詳細説明; 近年、国内における竹の需要の急激な衰退に伴い、樹木に比べ成長の早い「もうそう竹」が里山を侵略し、生態系を破壊するばかりか、災害を誘発する危険性が危惧されている。そうした竹林拡大防止には、ボランティアによる環境保全のための伐採活動だけでは限界があり、事業としての継続的な伐採を可能とする竹材の使い道の開拓が待望されていたところが、ここに来て、事態は急展開しようとしている。竹が、従来の単なる竹材としてではなく、竹繊維や集製材等の工業素材として見直され、安価で大量に供給できる体制が整えば、大量販売できる道が開けてきたからだ。しかも、再生産に数十年かかる木材と違って、竹材は3〜5年で再生産が可能で、熱帯林等の枯渇性資源の消費抑制等環境保全に寄与できる。数年で再生産可能な竹資源の有効活用は、「循環型社会づくり」の施策のひとつである環境配慮型製品の「グリーン購入」推進に大いに貢献できるばかりでなく、竹産業における新たな雇用創出により、竹産地の地域経済の活性化が期待できる。  

 そうした、竹の生産者・素材活用製品の生産・販売企業・製品の購入先までの総合的な「竹資源有効活用コンソーシアム」という市民・NPO・行政・企業・大学といったあらゆる主体によるパートナーシップによるグリーン購入企業共同体が、11月6日に、全国で始めて高知で発足する。ただし、購入する側は、小規模供給者との直接取引きでは効率が悪く採算が取れないため、大量一括供給が条件。一方、産地となる高知県では、伐採した竹の販売先を安定的に確保することが出来れば、安価であっても、小規模ながらも竹の供給を希望する事業者や団体が現れてくる。しかも、竹林侵略被害から里山を守る為には、そうした小規模伐採者からも購入の道を開いておくことが必須条件。そこで、そうした小規模伐採者からの竹材を買い取り、集積して置く広いスペースを持つ事業所が必要となる。その場合、採算の悪さをカバーする何らかの行政等による支援策が必要となる。集荷を支援するのも一手法。知的障害者の施設やシルバー人材センター或いは、NPOなどの事業活動とすることも考えられる。

 「グリーン購入」とは、購入グリーン購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境のことを考え、環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める事業者から購入すること。「グリーン購入ネットワーク」とは、環境への負荷が少ない製品やサービスの優先的購入を進める消費者・企業・行政の全国ネットワークで、グリーン購入が環境配慮型製品の市場形成に重要な役割を果たし、市場を通じて環境配慮型製品の開発を促進し、ひいては持続可能な社会の構築に資する極めて有効な手段であるという認識の下に、わが国におけるグリーン購入の仕組みを促進することを目的として活動している組織。購入者は、必要性を十分に考えた購入を心掛けし、環境に与える負荷ができるだけ小さい製品の優先的購入を進めることが必要。 「竹コンソーシアム」とは、企業共同体又は連合体の意味 21世紀の資源の中で、竹は3〜5年で成長することから、有効活用による天然資源の省資源化の期待が掛かっています。竹は利用することにより、廃棄物を出さない等全ての活用面において最も循環型社会に適した環境配慮型天然資源です。

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2002年3月1日