2003年高知県知事選挙の総括


 2003年11月30日に高知県知事選挙は投票が行われ、現職の橋本大二郎さんが、前高知市長の松尾徹人さんを約4万票差で破り当選されました。
 地元紙やテレビ局など地域のメジャーなメディアは「選挙総括」をし、当選直後から、橋本大二郎知事自身が地元テレビ各局を巡回し、知事なりの「総括」もされていました。
 「けんちゃんの吠えるウォッチング」サイトhttp://www.nc-21.co.jp/hoeru/では、独自の観点から、特に地元新聞のインサーダー情報に惑わされない情報を素に総括いたします。

1)橋本大二郎さん1人、プロの政治家でした。


 後援会のしおりと、大規模な電話作戦はしないとのことで、出遅れていましたし。
 しかし橋本さんは、自民党中枢と話をつけ、連合を割り、建設業協会の支持も取り付けました。創価学会幹部とも密談しています。共産党は「勝手連」的にまじめに組織を上げて支援していました。
 自分1人ですべて「組織」のつぼを押さえる政治活動をしていましたね。一方松尾さんは「組織」支援頼みでした。自民党、社民党、公明党、民主党、連合、農協、県職労らの組織が支援し、その息のかかった県議と市町村議会議員が支援する「連合艦隊・組織」選挙でした。
 しかし実質橋本さん自身の「工作」により、松尾さんの頼る「組織」は上部では機関決定されたものの、実働部隊の半分は橋本さん支持になっていました。組織戦では互角。
 そうすると勝敗を決めるのは「無党派層」。それは橋本さんの圧勝。組織されていない、女性層と若者層と高齢者層が橋本さんを押しました。最初から「勝ちは」見えていました。
 ただ今回意外に差を詰められたのは、事務所が弱体だからです。選挙事務所が弱体でも勝つのが橋本大二郎さんです。スーパースターゆえの戦いぶりでした。しとうとには、とうてい真似は出来ません。

)IT戦略と若者対策では橋本さんの圧勝

 学生が知事に政策提言を行う「プロジェクトK」の動きの中で、数十人の大学生が地方政治に関心を高めた効果があったようです。またその学生の1人は「2003年高知県知事選挙候補者比較サイト」http://www.geocities.jp/hdtsm2000/tijisen/index_tijisen.htmを作成しました。
 相手候補者陣営は、アナログ型・組織動員型選挙パターンでした。しかも橋本知事の配偶者や家族の「悪口」を言う誹謗中傷戦術でした。候補者本人の従来持っていた「クリーンで誠実な」イメージが埋没してしまいました。今時「怪文書」が有効であると思いません。
 大衆を愚弄した戦術に溺れ、そして4万票差で橋本大二郎さんに敗れました。選挙対策を指揮した各政党と組織の幹部は責任を取るべきですね。
 IT戦略と言うほどではありませんでしたが、橋本さんがわは、個人のホームページも「量」で圧倒していました。
  
 http://www.nc-21.co.jp/hoeru/kensei-plan.html(橋本さんの政策を点検しました)
 政策をちゃんとホームページで発表しています。なかなか若い人は、選挙事務所を訪ねて、広報ビラや政策集をもらいに行くまではしません。関心はありますが、選挙事務所は「敷居が高い」感覚があるようです。
 サイトにすれば自宅のパソコンでゆっくり見ることが出来ます。そのあたりの対策でも橋本さんはとりあえず「圧勝」していました。

3)今後の政治の行方

 今年は7月に参議院選挙があります。あいかわらず「アナログ型」の後援会活動が主体です。このやりかたでは組織や政党関係者でなければ、選挙で戦うことも困難です。
 資金が想像以上にいるからです。その多くは連絡用の郵便代金と電話料金です。
 もっとインターネットが普及し、手軽さが増せば、選挙のありかたが変わります。それが大きく世の中を変えるでしょう。残念ながら参議院選挙では現れませんが、近い将来必ず日本の政治のやり方も変わるでしょう。

ヤッシーと老練政治家、壮士との街頭演説会が開催されました。(2003年11月23日)

高知大学生が「2003年高知県知事選挙候補者比較サイト」を作成し、公開しています。

「橋本大二郎さんをなぜ支持しなければならないか」を考えてみました。(2003年11月12日)

橋本大二郎さんの考え方を点検いたしました。(2003年11月5日)

リーダーシップについて考えさせられました。衆議院・知事・市長選挙を前に(2003年10月27日)

政策本位の選挙を望む(衆議院・高知県知事・高知市長)選挙について(2003年10月11日)

2004年「出直し高知県知事選挙」の総括もしてみました。(2004年12月4日)

 

                          

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2002年3月1日