けんちゃんのどこでもコミュニティ
人が元気だとまちも元気
 
今週のゲストは、高知県都市計画課の豊後彰彦さん、須崎商工会議所の松田健さんです。今日のテーマは「人が元気だとまちも元気」です。みなさんはいろんな場所で、まちづくりに関わってこられたと思います。前日にトンネル開通イベントで大成功されましたが、「二の矢、3の矢は」どうなっていたのでしょうか?高速道路開通もありましたし。映画の撮影もあったようなのですが。その後どのように盛りあがって行ったのでしょうか?
松田 「食いたければ来い、IN横浪」を開催してから、次は高速道路(高知自動車道路)が平成14年に須崎まで来るぞとなりました。夏か秋ぐらいでしょう。自治体はイベントをするでしょう。まちづくりという観点で、県庁の豊後さんがまたまた言い始めまして、「道の開延隊」という組織をこしらえました。
 「高速道路開通プロジェクト」をスタートさせました。

須崎商工会議所青年部が「活力ある地域経済社会の実現に向けてチャレンジ。「高速道路開通プロジェクト」なる企画書の資料を見せていただいています。

なかなか壮大な企画のようでしたが。豊後さんの関わりはどうなっていたのでしょうか?

豊後 実はここまで大きなことは考えていませんでした。道路づくりの関わりがあり、須崎土木の舞えは高速道路の担当でしたし。松田さんに「須崎まで高速道路が出来ます。また西へ伸張します。抜けたあとでは須崎は通過点になります。そのときでは遅い。」と言いました。そうすると松田さんから後で、企画書を見せていただきました。
単なる道路が完成して、バイパスが出来て便利になって、須崎市を迂回して行ってしまえばなんにもなりませんね。
松田 約25000台の車が須崎市を通過しています。そこで、1人が1000円でも須崎市でお金を使ってくれたら。何億という経済波及が生まれます。高速道が出来て、皆さんがイオンへ買い物へ行くばかりでなく、こちらへも来て頂く。そういうプロジェクトを考案させていただきました。
具体的にはどのようなプロジェクトなのでしょうか?仕掛けはどうなっているのですか?
松田 プランが3つありました。A、B、Cと3つプランがあります。まずAプランと言いますのは、「須崎まで高速道路が完成するので、そのことを広く知っていただくこと」です。広報告知効果ですね。「浜ちゃん、スーさん」で有名な「釣りバカ日誌」をもじりました。海を売り出すためには、それにふさわしいキャラクターでということでした。日本道路公団(JH)さんとスクラムを組みました。「釣りバカ日誌」高速道開通ポスターをこしらえました。それがAプランです。
 須崎に来ていただきます。そこへ来ていただいて実際に楽しくなかったらがっかりですね。面白いまちづくりをしようというのがBプランです。このなかには魚を売り込むこともありました。今は大人気の「鍋焼きラーメン」を売りこんで行こうというのも入っていました。須崎を知っていただいて街が元気になって、大勢の人に来ていただきます。次に、住んでいる人が「まちに誇りを持って、元気に豊かなまちづくり」が出来ることがCプランです。
そこまでの遠大な戦略を考えていたと言うことですね
松田 考えさせられたと言うことです。
豊後 鍋焼きラーメンのことは、「食いたければ来い。IN横浪」のイベントの最中にも
松田さんは既に言っていました。なんとか売り出せないかと。トンネルの後に高速道路が須崎まで来る。なんとかポスターつくれないだろうか。あれこれ議論し、考えているうちにプランがどんどん膨らんでいたということですね。

現実にA・B・Cプランの進展具合は、現在どうなっていますか?
松田 Aは済ませました。Bは進行中ですね。Cに行くのを「鍋焼きラーメン」からスライドした形で現在進行中です。NPO(非営利公益法人)という形で組織しようとしています。農業や漁業や商工業や生活基盤になっている産業が元気になりますと、須崎市のようなローカル都市は嬉しいのですね。結果的にみんなの所得が上がるのです。所得があがれば生活環境も良くなります。町並みも環境も景観も良くなるのです。良い循環になりますね。人の働く場の確保と活力は須崎市は必要です。高幡地区の中核都市なので、葉山村、中土佐町、佐川町からも働きに来ている人も多いのですから。交流人口も須崎市は多いです。産業が元気にならなければいけないのですから。そこに行けるようにするのがCプランであると位置づけています。
豊後 Aプランは、実は家内との会話で思いつきました。高知県外の方が、須崎市の読み方を「すざき」と読まれるのです。「すさき」なのに。なんでそんな読み方をするのだろうという話になりました。「すざきじゃないよ、すさきだよ」と言っていました。そこで漫画「釣りバカ日誌」の主人公浜ちゃんが「はまざきではないよ。はまさき」と。
濁らないと。

豊後 濁らないですね。それを発想としてひっかけました。「すざきじゃないよ、すさきだよ」という言葉(を道路公団のポスターのコピーに入れさせていただきました。

これは「道の開延隊」という組織をつくりましたし、実際にポスターになりました。

それで名前が売れ、須崎市に大勢の人が来るようになってから、Bプランを実施したわけですね。
 

松田 終着の町というのが、凄くメリットがあると言うことを豊後さんに教えていただきました。

働く場が少なくなり、街が元気がなくなりつつあるなかで、ななとか所得が少しでも得られるようになり、チャンスがある街。田舎の良さや潜在力を引き出せるものがないのかないと考えました。

「鍋焼きラーメン」というのは僕は大好きでした。これを全国に売れないかなと思いました。

調べているうちに魅力がどんどん膨らみ「鍋焼きラーマンプロジェクトX」なる組織をこしらえました。

「プロジェクトX」とはなかなか大層なプロジェクトの名前ですね。
松田 成功するための名前です。(一同爆笑。)
絶対成功しなければならないと。現在の進展具合、手ごたえはいかがですか?
松田 今年2年目です。2番バッターとして進展しています。須崎は今まで観光都市ではありませんでした。駅や道の駅に鍋焼きラーメンの案内パンフレットを置いていますが、どんどんなくなっています。駅前のタクシーに「美味しい鍋焼きラーメンの店へ連れて行ってほしい」というお客さんもいました。
   

鍋焼きラーメンの7つの定義

1)スープは親鳥の鶏柄の醤油ベース。

2)麺は細めで硬めに。

3)具は、親鳥の肉、ねぎ、生卵、ちくわ等。

4)器は土鍋、鉄鍋、ホーローなど。

5)スープは沸騰した状態で提供されること。

6)沢庵がそえられること。

7)すべてにおもてなしの心を込めること。

Cプランの進行具合はどうなっていますか?
松田 須崎市は養殖漁業が盛んですので、「魚の町」というイメージを定着させるべく活動は少しずつ始まっています。
それも豊後さんたちも転勤や移動もあるとは思いますが、どういう関わり合いをされていかれるのでしょうか?
豊後 高速道路ができあった後で、どう利用するか。それには引き続いて関わっています。松田さんが「2番バッター」と言われました。その考え方だと思います。鍋焼きラーメンを出塁させていただいた。3番どうする、4番をどうするという考え方で「人づくりは、まちづくり」に繋がっていると思います。
高知の自然や食べ物。地元では知られてはいますが、高知県人は「シャイ」だから、売り出し方は下手ですね。地元の人達だけが楽しんでいるところがありますね。
松田 須崎の庶民のかたが鍋焼きラーメンにしても普通に食事をしているので、そんなに価値はなかろうと思っていました。魚でも、めじかと言いまして、地元では「しんこ」と言います。8月から9月では、須崎では毎日のように食べています。それをもっ売り込もうとしています。地元では当たり前に豊富にあるもの。他所にはないものを食材として発信しようと思っています。
そうなりますと、わざわざ須崎へ来ていただいて、ゆっくりしていただく。「作戦」が必要になってきますね。それが今後の須崎市の大きなテーマになるのではないでしょうか。
松田 そうですね。現状ではいろんな面の整備が出来ていません。駐車場も少なかったり。おしかりの言葉をいただいています。課題はたくさんありますので。