切手の収集について


 今週のゲストは、医療法人共生会理事、下司病院事務管理部長下司孝之さんです。
今日のテーマは「切手の収集について」です。下司さんは、切手の収集が趣味と伺っています。日本や世界の珍しい切手をたくさん集められているのでしょうか?
下司さんは「朝鮮の切手」というweblogでホームページを作成されています。「お隣の近くて遠い国の韓国と朝鮮の切手を紹介します」と案内文にはあります。どんな特色があるのでしょうか?


 下司さんのサイトは、http://www.doblog.com/weblog/myblog/7730です。

 私の趣味は切手収集です。
 北朝鮮の初期が私のメイン収拾範囲です。年代でいいますと朝鮮戦争が終わる頃迄ですね。国が出来て気合の入っている10年ぐらいの頃迄ですね。余り出物が有りませんから財布は助かります。ご紹介のホーム頁では、日本と朝鮮は仲良くしなければいけないのに嫌なことばかりですので、楽しいことに眼を配ったものにしたいと思っています。

 材料が少なくて財布は助かるといったのですが、実は昨年からアメリカのスコットカタログが北朝鮮の切手を掲載始めました。画期的なことでこんなところにも下の方では雪解けは始まっているのかも知れませんね。朝鮮敵視は切手の世界に迄根をはっていたのですから。
日本との間では「日朝ピョンヤン宣言」が一昨年に合意されていますが、その友好精神がその直後、拉致の問題もあって廃棄されていないか心配でした。それで私は昨年の暮に小泉首相が調印している図柄の朝鮮切手が引っ込められてはいないか、向こうから平壌
宣言の切手をはって郵送して下さるようにお願いしました。切手をはった手紙は一週間足らずで届きましたからまだこの宣言は生きていると安心をしました。切手は国の主権と絡み合いますので、このレベルではどうだろうかと、調べて納得する、そのような趣味を郵便趣味、「郵趣」といいます。

北朝鮮の切手(朝鮮人参を表しています)

建国して12年ぐらいの頃と伺いました。

わたしも小学生時代は、記念切手の発売たびに郵便局へ行き購入しました。しかし次第に遠ざかりました。下司さんが継続して、収集されている切手収集の魅力は何でしょうか?
 戦後のもののない時代はみんな切手少年でしたね。橋本知事も集めていた、この間ごめんの尾長鶏の切手を持っておられたとお聞きしました。葉書が5円の時代ですから知事は50歳前後の方だと分ります。切手で知事との距離感覚が近くなったりしますから趣味は不思議ですね。
私が長続きしてしまったのは、何事も疑ってかかってみる。本当にそうだろうかという疑問に答える存在が切手だからです。切手を使われた第一次資料として確保することです。ですから、使用済みで結構でお金は余りかかっていません。
むしろ、お金より時間がおびただしくかかっています。この3月に還暦を迎えましたので手を伸ばし過ぎたところはバッサリと切って、時間をもう少し大切に使わなくてはと思っています。
切手の魅力は日本だけの切手ではなく世界のどの国にも切手が有りますので、それも気に入ったところです。

3月20日の「番組出演者交流会」で橋本大二郎知事と。

ふるさと切手の提案をされたそうです。下司さんはその当日weblogで「朝鮮の切手」というサイトを作成されました。

 切手コレクターの市場のようなものがあるのでしょうか?実際に売買もされているのでしょうか?

イギリスのギボンズとかアメリカのスコットとか大きなカタログ社があります。良いものは値崩れしませんが、私は高いものは集められません。
どこから切手を仕入れるかは腕の見せ所です。北朝鮮の場合は切手商と在日朝鮮人、それからオークションやインターネットでの通信販売、韓国、中国の朝鮮人の多い延辺自治区、アメリカ、それから朝鮮戦争中立監視団の派遣国、旧共産圏、そして私達の住んでいる日本と朝鮮本国です。


 申しましたように北朝鮮の切手はアメリカのスコットに掲載されて解禁になりましたのでアメリカ兵が略奪して持ち帰ったものが市場にこれから出て来るのが大きいと思います。今迄アメリカでは敵性国家の切手は商取り引き禁止だったのです。アメリカがなんでも自由というのはないことが切手を集めていると自然、分かってきます。今では北朝鮮切手はカタログ掲載のあおりで急激に高くなっていますのでそれが悩みです。
朝鮮でも切手商といいますか扱う機関が有りまして、平壌駅のすぐ近く、高麗ホテルの二つ駅側のビル一階にはいっています。防寒用の二重扉を開け、訪ねていって2、3、ゲットしました。切手もさることながら直前に訪問した金大中大統領随行の
韓国の高官が切手を買っていったということを聞きました。韓国内では反共法で以前なら捕まりますから変わったものです。
訪問の時に最初に希望をハッキリと伝えておけば切手の店はドルショップでも有るのですから大丈夫、行けます。

3月20日の番組交流会の時、下司さんは、橋本知事に「よさこい」切手、「牧野富太郎博士」切手の発行を提案されていました。県の意向が郵便切手発行に反映される「しくみ」はどうなっているのでしょうか?「ハルウララ」も可能性はあるのではないでしょ
うか?
 切手のことになりますと思わず力が入りますね。
 「ふるさと切手」なら県庁の意向は割合に通るのではないでしょうか、四国郵政局の管轄ですから。「よさこい」は全国区で対応しても有望ですし、牧野富太郎博士は日本の愛妻家代表として、奥さんが趣味の橋本大二郎さん好みでしょうね。「ハルウララ」は土佐人でなく道産子だけれど、よさこいソーランと一緒にセットで売ればいいかもしれませんね。切手はどんどん思いが膨らんで面白いですよ、ぜひ皆さんも集めましょう。
 どうぞ、県庁がリーダーシップをとって発行運動をして下さい。お願いします。また郵趣家だけではなくて、県民の皆さんも支援をよろしくお願いします。
下司さんは、どういう切手が「価値」があると考えられていますか?
また使用済みのスタンプが押された切手は価値がないものでしょうか?

韓国の竹島(日本の島根県にある島)の切手。

李大統領時代のもの。

1960年学生革命で李政権を打倒した直後の韓国切手。
 お四国は歩いて、切手は使って供養です。スタンプが押された切手こそ物語を語ってくれます。日本が開国をした頃、日本の切手を貼って外国には郵便を出せなかった
不平等通商条約があったからで、通信と商取り引きは国の主権を物語る大事な根幹です。切手はそのような時代の背景を封書の上で語ってくれます。その語り部が消印のスタンプですから押されていない切手に比べてものすごい価値が有ります。西部開拓史のアメリカ大陸を横断して当時、世界の中心地だったロンドンに運ばれていった様は中継スタンプで知ることが出来ます。このように使用済みが貴重なのです。普通の切手集めではお小使いが大変ですから使用済でこそ楽しめる方策が沢山ありますよ。
 最近宅配便業者が「メール便」に参入してきています。切手を貼る必要がありません。切手はかつての「テレホンカード」のような存在になるのではないでしょうか。
それが切手は案外「しわく」、しぶとく生き残るようです。いろんな通信媒体が出来ましたが、使いわけがなされています。
 何しろ郵便物はまだまだボリュ−ムがあります。一挙に滅亡することは考えていません。
郵政の民営化の影響は切手発行に影響はありますか?切手は国営事業なのですか?

 あるとみています。乱発がますます郵趣人口を減少させないかと心配です。切手を楽しむ上では世の中が浮かれたバブル時期もまずかった。切手商が金券ショップに姿を変えサラリーマンが沿線の切手店を梯子しながら帰宅する風景が無くなりました。

 切手文化は国と切手商と郵趣家によりささえられていましたから零細な切手商が消えてしまうと困ります。
 郵便事業の基軸は国営にして頂かないと高知県のような過疎地では利益が出ません。
イギリスでは郵便車に患者様を載せて町迄行っているようです。また、一日に一回山の上で独り住まいのお婆ちゃんの家に郵便物を届ける配達人は介護手当ももらってもいいと思います。公共サービスの原点、郵政をおねがいしたいところです。
 身じかなところでは切手に押すスタンプは公印ですから郵便局の窓口で役所に必要な日付印を鮮明に押してくれと注文をすることがあります。官印がなくなると法的なしばりがなくなりどうしたものでしょう。公営サービスの必要さは強く切手にも言えるのではないでしょうか。国の小さな外交官でもあるのですから。
 切手集めは郵便趣味として奥が深く、また初心者も入りやすく誰でもいつでもできる趣味です。高知にも日本郵趣協会高知支部があります。ぜひご一緒したいと思います。

 日本郵趣協会 http://www.yushu.or.jp/

 スコットカタログ関連 http://philatelist.jp/stampbooks.htm

ワイマール時代のドイツの切手。下司さんに頂きました。当時のドイツは世界恐慌で超インフレ時代。

100万マルクと表示されています。