横山隆一氏宅の移設について
 

 今週のゲストはカリノ美工アートディレクターの狩野智子さんです。今日のテーマは「横山隆一氏宅の移設について」です。高知出身の漫画家横山隆一氏は、生前は神奈川県鎌倉市に居住していました。その横山氏宅を、ゆかりのある高知県に移設する話が進展しています。
おかまいない範囲で、経過を説明をお願いします。夜須町の海辺の果樹園に移設すると聞いています。解体・移設するように伺っています。費用などは大変なのではないのでしょうか?
もともと狩野が所有している土地が夜須町にもあります。そちらの方に隆一先生宅を置いてはどうかと横山家からもお話がありました。しかし敷地が狭く、お庭の広かった横山隆一さんところの雰囲気とは異なるものになることが心配でした。
 そこで夜須町ですが、横山隆一先生は、いろんな仕事をしている関係で名誉町民にもなられています。いろいろ思い起こしてみまして、夜須町であれば、条件も申し分ないし、景色も良いところと思いました。現在移転の話が進展しています。
計画図を見せていただいています。夜須町内に移設されるようなのですが。
図面では居酒屋があり、客室があり、茶室がありますね。横山さんがお元気な頃の写真を見ますとお庭でバーベキューをしたり、お花見をしたり、いろんな方々と交流をされているようですね。それを再現していきたいというのが、大きなコンセプトなのでしょうか?
たくさんのいろんな方が集まられて交流されていました。夜須町内であれば、景観も良いですし。高知市からも、高知龍馬空港からも近いですし。
夜須町内に「フクちゃん邸」を移設しようという計画です。
こちらにその移設を推進しようという文章がございます。「フクちゃん邸を残そう」文化人の交流の場、民営の迎賓館、鎌倉から土佐へ移設と書かれていますが・・・。大掛かりな計画のようですね。
こちらのほうは高知新聞の橋井昭六さんに名誉会長になっていただきました。発起人の委員会を設立いたします。70名前後になると思います。夜須の町長さんや、地元の方々のご協力を得まして、多額の費用もかかりますので、募金活動なども行っていきたいと考えています。
横山隆一さんの自宅は、聞くところによりますと居酒屋風なお部屋もあったそうですね。仲間達が集まり、飲食しながら談笑していたとか。「作品」もその議論のなかで醸成されていたように聞いています。「復元」の考え方が大事だと思うのですが。
移設先は夜須町内と伺いました。どのようなコンセプトと景観のなかで「復元」されるのでしょうか?またその施設はどのように活用されるのでしょうか?
展示だけではなく、イベントなど文化施設として活用いただきたいですね。今後運営のやりかたを先行事例(高知市の寺田虎彦記念館や武家屋敷など)を参考にしまして、夜須町の婦人会やまちづくり推進委員会のメンバーの方々に、企画運営など検討していただきたいと考えています。
民営の迎賓館と言われていた横山隆一邸ですが、
鎌倉での交流されていた人達はどのようなものだったのでしょうか?
 
画家の岡本太郎さんとか。作家の川端康成さん、映画監督の小津安二郎さん、女優の小林千登勢さん、真野響子さん、男優では佐田啓二さんとかそのほか早々たるメンバーが来られていたようです。
横山隆一さんは「居酒屋」が仕事場でもありました。 片付けますと「居酒屋」に。魚々タワー制作スタッフと一緒の横山隆一さん。左から3人目が狩野信児さん。
移設される建物はどのようなものでしょうか?
今回移築を計画していますのは、横山隆一先生が仕事場として使われていましたところと、客間と居酒屋といわれています3部屋があります。居酒屋に石原慎太郎都知事も先生の晩年に来られていたようです。
写真を見ましてもバー風になっていまして、様々に人達と懇談する様子がわかりますね。かなり広汎な人達との交流がうかがい知れると思いました。
3部屋を移設するのですね。和風の平屋なのですね。鎌倉ですから自然もありますし、庭も使ってお花見とか交流もされていたのですね。
移設の候補地もいろいろあったようですが、建物だけでなく、お庭も必要なので、夜須町内の広い敷地内になったというわけですね。
いつも大勢の人達が訪れていました。(平成11年4月18日 狩野信児さん撮影)
そうですね。できれば藤棚とかをこしらえて、可能な限り鎌倉の雰囲気を再現したいと考えています。
これからのどのような形で展開されるのでしょうか?
バーでくつろぐ横山隆一さん。バーはかるポートで再現されています。 横山夫妻と。真ん中狩野信児さん。
そちらのほうは委員会をたちあげまして、発起人なども呼びかけ、準備段階です。解体は1月10日から20日まで、5日かかって搬送、現地での組みたては2月にはいってからですね。
新年早々大きなプロジェクトが稼動されますね。
いろいろと忙しくなると思います。

*横山隆一さんや横山邸での交流の様子の写真は狩野信児さん撮影のものです。お借りして承諾のうえ掲載しています。

山隆一邸の移設に関する詳しい情報は  こちら から