薬剤師の社会的な役割ついて
今週のゲストは薬剤師の川添哲嗣さんです。今日のテーマは「薬剤師の社会的な役割について」についてお話を伺います。川添さんが中心になって「介護まちかど相談所」を薬剤師会で形成したことはお聞きしました。
 それ以外にも社会における薬剤師の役割は大きなものがあると思います。

 まず伺いますが最近青少年に関しまして、お酒の害、煙草の害が言われています。実はお酒も煙草も「薬物」なのですね。それ以外にもシンナーや覚せい剤など薬に関することが大問題になっています。
 薬の専門家の立場としてどのように考えられていますか?

煙草の害については小学校で教えています。
 この分野は「保健」というカテゴリー(分野)に入りますね。
 薬剤師には医療と介護・福祉の橋渡しの役割があると申し上げました。もう一つは保健にも深く関わる必要があります。
 煙草に関しましては小学校から授業があります。アメリカでは煙草は「ゲートウェイ・ドラッグ」つまり入門薬と呼ばれています。煙草で喫煙の仕方を覚えて、マリファナだとか、麻薬に走る若者が多いからです。

 アルコールもそうです。アルコールを飲むことで快楽を得る。そしてそれで飽き足らなくなってシンナーに行く。という風に煙草やアルコールが「入り口」になっています。
こういったことは駄目だという講義は最近多くやっています。

。薬剤師会も一昨年くらいからとくにたばこの問題に取り組み始めました。タバコの害についての講義もよく依頼を受けます。小学、中学、高校どこでもOKです。けっこう写真も豊富に見られる資料がありますし、どっちの料理ショーやトリビアの泉のようなTV番組の要素も取り入れた講義で飽きさせずしかも盛りだくさんな内容です。関係者の皆様、お聴きでしたら是非お電話下さい。

 私なども業界が塗料業界ですので、シンナーなどの乱用の啓発、盗難や乱用者への販売禁止などを業界上げて取り組みました。薬剤師さんたちも薬の専門家ですので、他に取り組まれていることはありますか?
薬物の乱用は低学年化してきています。対策をしと大変な事態になります。
煙草の自動販売機は市内各所で見かけます
 なぜ子供たちが、煙草やお酒、シンナーに走るのか。それは怖さをしらないからですね。漠然と知っていても弊害をきちんと知らない。どう恐ろしいのか。乱用しますと最後はそうなるのか。知らないが為に乱用を続けているのです。

 一回くらいなら・・・で人生をぼろぼろにした若者が多く出ています。1回だけならばで手を出した結果が、大変悲惨な結末になる。そういう事実を教えます。若者達は授業後
薬物には手を出してはいけないと真剣に思っているようです。かなり詳しく学生には教えます

こういった若者への薬物汚染を防止する活動も今後力を入れていかねばなりません。
 詳しく教えると言うことなのですが、シンナーの乱用で脳が溶けるという写真なども子供たちに見せるのでしょうか?
MDA
マリファナ
 見せますね。発砲スチロールをシンナーで溶かす実験は講義の定番でよくします。最近多く出回っている合成麻薬のMDMAとか、痩せ薬、S、スピードと呼びかえられている覚せい剤、そして大麻、マリファナなどの具体的な写真も見せます。だまされて使ってしまう事を防ぐための知識をつけるためです。 また、幻覚症状が出て腕を切り裂いてしまったり、はだかで電線によじ登っている実際の写真なんかも見せます。
それは子供たちには衝撃だと思いますね。
 キャーとか言いますね。キャーとか言いますね。なかなか見ることの出来ない写真ですから衝撃は強いはずです。しかしこういった授業が全国的に行なわれているにもかかわらず、クラブやライブハウスで密売される覚せい剤や大麻に手を出す若者は増加傾向です。一回くらいなら・・・という甘い考えこそがぼろぼろの人生への入り口ということをしっかり教育していくことは本当に大切です。
 最近政府の方針で、「規制緩和」と称して、スーパーやコンビニでお酒や煙草を販売しています。私はこれなどもおかしいと思いますが。青少年にとってはまずいと思います。お酒や煙草も「合法的な薬物」であれば適量にも個人差がある筈です。飲んではいけない人もいるでしょう。
 それであれば薬剤師の指導のもとに販売すべきではないかと思いますが。
煙草やお酒の自動販売機などは県条例で禁止すれば良いと思いますが。
 規制緩和で将来コンビニあたりでも薬の販売が可能になることによって、川添さんが心配されることはどのようなことなのでしょうか?
 実は国会でこの問題についての委員会がありますが、医療関係者は少なくて、ほとんどが経済団体の関係者で討議しているんです。この問題は経済の活性化のために規制緩和をしているという気がしてなりません。一体国民の安全はどこで語られているのでしょう。
もしも、このままコンビニでの販売可能な規制緩和対象品が増え続けたとしたら利便性という名のもとには全ての薬害は置き去りにされるということになります。
 薬剤師を目指す人は増えているのでしょうか?また薬剤師を目指す若い人達にアドバイスがあればお願いします。
 薬科大学の新設が物凄い勢いで増えています。
 薬剤師志望者は増えていますが、医療に携わるものとしての志をどれほど持っているかは不明です。資格をとっておけば就職が安心なんていう甘い考えではなく、やるからにはしっかりした医療の一担い手の自覚を持って欲しいですね。このまま行くと数年後には薬剤師が余ってきます。そうすると病院にしろ薬局にしろ、しっかりした薬剤師を見極めて採用するようになります。資格はあっても働き口が無い場合も出てくるかもしれません
 その時採用に関する最重要ポイントは薬学的知識の多さではなく、1人の人間としての資質かもしれません。誠心誠意患者さんに接することが出来る人間かどうかが最も重要です。そこのところを忘れず薬剤師目指してがんばってください。

子供の人権問題や麻薬問題に関しての水谷修先生のことをみなさんにも是非知って置いていただきたいので
以下のHPを見てくださいね。


http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kokoro/yomawari/archive/

 
http://www.sanctuarybooks.jp/mizutani/
http://www.jinken.ne.jp/child/mizutani/mizutani1_1.html
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