弁護士の上手な活用法について
 今週のゲストは弁護士の小松英雄さんです。今日のテーマは「弁護士の上手な活用法について」です。
 非常に高度な専門家として弁護士は社会で認知されています。しかし一般市民は弁護士の世話になることは普段はありません。実際に弁護士と接見したり、仕事を依頼する場合も「要領」が必要であると思います。そのあたりを話しを伺います。
まず伺いますが、弁護士に面会する以前にしなければならない作業はありますか?
相談用件を紙に書いて整理するとしたほうが良いのでしょうか?
確かに相談内容をある程度まとめて紙に書いたりして絞るということは、話は早いと思います。ただそれがあまりにもまとめすぎて自分で「思い込んでしまう」危険性があります。弁護士とすれば、自由に話していただいたほうが良いです。

 相談の内容を紙に書いて整理することは、しないよりはしたほうが良いと思います。それだけで、イエス、ノーで答えよと言われましても弁護士も自動販売機ではありません。それでけ答えて結論が出たから良いかといいますとそうではなく、結構間違っていることもあります。したがって弁護士のほうはいろいろと周辺の事情も聞きます。ある程度リラックスして余裕を持って話していただきたいですね。あまり最初から問題を絞らずに相談に来ていただいたら良いと思います。そのほうが相談を受けやすいです。

 あまり決め込んで、相談者がこうだと決めこんでいることが、実はそうではないこともたくさんあるのでしょうか?
 それはありますね。自分の困っていることは伝えていただきたい。また相談の時いろいろと質問をしますから、それなりの余裕をもっていただきたいのです。 小松英雄さん
小松・大塚弁護士法律事務所に持ち込まれる相談事はどういう事件が多いですか?
悪質商法、交通事故、相続などが多いのでしょうか?
 それは一般の民事事件と言いますけれどもなんでもありますね。言われました悪質商法、交通事故、相続、家庭の問題、少年の問題、金銭の問題、破産の問題、ありとあらゆる事件が来ます。
弁護士会が開催されている「無料法律相談」はいつごろしているのでしょうか?
法律に市民が関心を持つ機会は、そのほかどういうところにあるのでしょうか?
 弁護士会の無料法律相談は、月曜日から金曜日まで毎日、5〜6人の相談を受けています。ただこれは順番になりますので、弁護士会に電話をしていただいて、予約をしていただきます。それで予約したその日に来ていただきます。
 結構利用する人が多くて、だいたい3〜4週間待ちになっています。お急ぎの方は有料にはなりますが、個々の弁護士事務所に来て相談を受けていただきたいと思います。料金は30分が5000円、1時間が1万円が相談料です。どうしても急ぐ方は弁護士事務所で相談を受けることをお奨めします。
 それ以外に弁護士会以外の無料の法律相談は各地であります。新聞等をよく読んでいただきましたら、掲載されていますので。
 先日も「弁護相談110番」も弁護士会がやりました。やみ金融事件の相談を受けました。社会的に事件がおおくなると臨時に開催します。それ以外は一般の無料法律相談ですね。相談の半分ぐらいは多重債務などお金がからんだ問題が多いようです。破産、多重債務など。あとは交通事故とか離婚問題などが相談用件として多いようです。相談者の年齢はばらばらですね。
 最近多いのは携帯電話のサイトの使用料の請求とか、「架空請求」と言いますか、弁護士の名前を使用して「通話料金を払いなさい。払わない場合は債権が譲渡され、延滞料請求とともに、金融機関のブラックリストへ掲載されます」などという見に覚えのない請求書が、メールや文書できていました。この場合はどうすればいいのでしょうか?
 これは立派な詐欺ですから無視することでしょう。詐欺ですから犯罪なのです。なにか答えないと悪いような気持ちがするものですが、それが相手の思う壺です。請求金額を100万円を30万にしてやると言われたら得した気分になりますがそれはしてはいけないことですね。「架空請求」は無視するのが一番です。連絡先に連絡してはいけません。
 よく裁判にするとか脅してくる場合もありますが、実際に裁判になった事例はありません。ブラックリストへ載せる場合も手続きがいります。弁護士の名前で来ていましても嘘であったりしています。架空な請求であったりしますので、相手にする必要はありません。
メールや手紙、葉書でその種の請求書が来ます。学校の同窓会名簿などが利用されているのではないかと思われますが。
 情報化時代に何10万人の名簿を入手することは難しくありません。「架空請求」などに悪用する人もいます。無視すれば心配だというので、相談を受け、電話をしてもFAXをしてもこちらが弁護士だと名乗ると繋がりません。
 警察も「架空請求」先をつきとめるのは難しいらしく、やはりこれは無視することが一番良い方策であると思います。何も言ってこないはずです。
 弁護士でホームページを開設している人は少ないのではないでしょうか?
ハイテク関係の犯罪や事件が多発しています。弁護士会でのハイテク事件への取り組みはされているのでしょうか?
 パソコンとホームページに詳しい弁護士さんもいますが、私のように知らない弁護士も多いようですね。ホームページで相談を受け付ける人もいますが、大多数の弁護士はこれからでしょうね。
 裁判は書類主義でされています。高知地方裁判所も新築されましたが、ハイテク化は されないのでしょうか?
新築された高知地方裁判所。裁判も徐々にハイテク化されているようです。
 そうですね、かなり変化はあります。フロッピーをやりとりしたりしています。表などはエクセルで作成してやりとりします。原告と被告とで、共通の情報などでやりとりしたしたりします。
  遠隔地の場合は電話でやりとりし、裁判所によってはテレビ電話を活用しているところもあります。証人尋問することも始まっています。ハイテクを排除しているのではありません。