お茶市場の可能性は?
 今週のゲストは国友林業代表者の国友昭香さんです。国友さんは土木建設業や他の事業も手広く展開されています。数年前から有機栽培の日本茶の栽培にも取り組まれています。
 今日のテーマは「お茶市場の可能性は?」でお話を伺います。最近は日本食も見直されつつあり、欧米では「ヘルシー」ということで定着しつつあるようです。市場は巨大なのでしょうが、どの市場を国友さんは顧客に考えられているのでしょうか?
 宇治茶、静岡茶、八女茶とか日本国内にはお茶のブランドと言うべき産地があります。それに対抗されて国友さんはどのような作戦を考えられているのでしょうか?
 お茶の栽培を始めるのにあたりまして、お茶の歴史、栽培地のこと,植生、それと流通、加工関係のお茶に関するありとあらゆる本を読みました。
 今、例えば都会の方、高知の方もそうですけれども。健康ということに関心があります。自然志向ということに関心があります。
 お茶の世界、今の状況では、例えば静岡のような大産地ほど化学肥料を長年に渡って使用してきた弊害や、農薬を使い続ける弊害などがあります。お茶は洗って食べるものではありません。乾燥したものをそのまま湯煎にして飲みますね。農薬がついておれば、出して飲むようなものです。
 ですから無農薬の問題などが関心を持たれています。「完全無農薬。有機栽培」で取り組めば他の産地との「差別化」が図れます。
 それと食品以外にも言われています「トレサビビリティ」という問題があります。「産地表示」ですね。産地表示を確実にしなければなりません。
 高知の土佐茶は「香りがいい」「品質が良い」ということを評価されていました。今までは殆ど産地表示をせず、静岡のお茶とブレンドされていました。
 私が思うに高知は高温多湿で、光も強く日照時間も日本1長い吾北の山間部などには斜面ですのでそういう環境にあります。「個性の強いお茶」が出来ています。それを生かし、都会の人たちの「健康志向・自然志向」に訴える部分と、「個性の強いお茶」であること、トレサビリティ(出生をはっきり証明できる部分)で今の市場に切り込んでいけると考えています。
有機栽培の堆肥を乾燥させています。
(写真は国友さん提供)
 
 確かに「産地表示」は大事でして、新しいブランドになる可能性はありますね。しかも「有機・無農薬栽培」で、いの町吾北地区のここで栽培されているということになれば、大きなポイントになりますね。
 そうですね。現地を見ていただきましたら、わかると思います。清浄な空気、美しい山の中で他の農産物の影響が一切無いところで栽培しています。その栽培地を見ていただいただけでも、「飲んでみたい」と思っていただけるような自信を持っております。
 有機・無農薬栽培と言いましても周りの環境などで、実際に実行するのは難しいように聞いていますが。農業でも無農薬ですと虫が発生するとかで、周りの農薬を使用している農業者から批判が出たりしまして貫くのは強固な意志がいるように言われているようですが。

美しい吾北地域の山々。空気は清浄であり、水も清らかです。周りに農地の無い環境の下で有機・無農薬栽培の山茶は作られているのです。

(写真は国友昭香さん提供です。)

 そのとうりです。お茶の栽培をされている産地の人たちも、実際にはやりたくても出来ないのが現状のようです。実際にお茶が栽培し、収穫できましてから各地から協力いただけるようになりました。いろんなことを教えていただいています。
 お茶の「効能」についてはどうなのでしょうか?健康志向の現代人、都会人にお茶は人気があるように思います。そのあたりはどうなのでしょうか?
 私は薬剤師の免状を持っています。効用や効果については薬事法に抵触してはならないことをふまえて述べてみたいと思います。
 日本茶の効用は非常にたくさんあるようです。発癌抑制作用。抗酸化作用。老化防止、動脈硬化抑制、コレステロールバランス調整、血圧上昇抑制、脂肪吸収抑制、抗アレルギー作用、など。抗アレルギー作用につきましては栽培種の研究も進んでいるようです。
 杉の花粉症にも効果があるということで、栽培されているようです。食中毒の予防藻あり、虫歯予防などたくさんの効用もあります。2日酔い防止の効能もあるようです。
 沖縄などでは日本茶ではないですが、中国のサンピン茶などを食事の後には必ず飲みますね。沖縄料理は豚などが多いのですが、お茶を飲むことで「洗い流している」ような気がしますね。
 観点を変えた質問です。最近は 伊藤園とか、サントリーの伊右衛門などヒットしたお茶もありました。ペットボトル入りですが、ローカロリー、砂糖なしのドリンクなので若い人たちにもお茶は人気があります。どのようにかんがえられるのでしょうか?
 私も伊右衛門が好きで、娘も好きだと言っています。サントリーはマーケティングが凄いですね。市場にぴったり合った製品を上手に作っておられます。
 お茶を商品化するにあたりまして、「サントリーの商品企画」という本も読みました。消費者の動向がどのようになっているか。ものづくりの部分では「品質にこだわっています」
 例えばサントリーのウィスキーのろ過には、わたしどもの地域(吾北、吾川村)の竹炭でなければいけないそうです。そのこだわりに関しては大手のやりかたも勉強していきたいと思います。

大ヒット商品である「伊右衛門」。お茶の専門家に言わせればそれほど高級なお茶ではないとの事。

 国友さんによれば、お茶の品評会で評価されるお茶は、羊羹など甘いものとは合うが、料理などとの相性が悪いものが多いといわれています。

 その点この商品は綿密なマーケティングリサーチの結果登場してきたのでしょう。

 「お茶ソムリエ」という資格認定もあるようです。その資格取得は難しく、権威があるのでしょうか?
 そうですね。わたしは「直撃」でお茶の産地のあちこちを訪問してきました。奥川根のほうでしたか山香荘さんという天皇家の献上茶をつくられておいるお茶の権威の方のところを訪問しました。私の話も聞いていただきました。
 「国友さんの知識はあまりにばらついています。総体的なことをもっと勉強しなさい。」ということで「お茶のソムリエ」ついて説明を受けました。お茶の産地の識別までしなければなりません。現在勉強中であります。