自然に配慮した都市生態系によるまちづくりとは
今週のゲストは、高知大学理学部自然環境科学課教授の町田吉彦さんです。今日のテーマは「自然に配慮した都市生態系によるまちづくりとは」でお話を伺います。
 都市計画は本来なら、生活全般の配慮や、自然環境の配慮もしたものです。計画策定段階から情報が公開され、マスタープラン作りにはあらゆる分野の専門家や市民が参加しているはずです。しかし日本では街路整備、道路整備主体が都市計画と勘違いされています。
 自然に配慮したまちづくりは可能なのでしょうか?
 端的な例で行きますと新堀川。ゼロメートル地帯ですね。その川が高知市の真ん中にあります。これをもっている特長を上手く生かすことが、背自然のに配慮した都市開発であると思います。
 なんとなく綺麗ではないどぶ川でしたが、新堀川はそうではない。ということですね。希少な動物がたくさんいたからそう思われたのでしょうか?
そうです。 町田吉彦さん
 都市生態系という言葉は最近の言葉なのですか?
 昔からの言葉です。人間がたくさん住んでいる。都市生態系というのは独特の生態系があります。自然の生態系は、陸上や海洋の生態系があります。今分けて考えています。そのなかで都市生態系というのもあります。
(ヒートアイランド現象などが、ありますが、その生態のひとつです)
 高知市の都市生態系の特色をどのように考えたら良いのでしょうか?
 やはりそれは真中を占めている浦戸湾ですね。浦戸湾のようなこれだけ面白い環境はないと思います。33万人の汚水はすべて浦戸湾に行きます。
 この浦戸湾をうまく生かすことが、都市生態系になると思います。

 高知市の場合は夏場ともなりますと問題なのは、大雨です。1970年の10号台風以来3度も大水害に見舞われているからです。市民各位も行政も水に対する恐怖があります。
 早く雨水を海へ流したいということもあって、3面張りの河川にしてしまいがちです。そのあたりの考え方も変える必要があるのでしょういうか。

五台山からみた高知市中心部。高知市は海と川に囲まれた都市であることがわかる。

しかし普段の生活ではあまり意識してはいない。

 私はそう思いますね。鏡川の支流の神田(こうだ)川ですが、私が学生の頃はすっぽんもいました。アメリカザリガニや食用かえるもいました。
 ひじょうに面白いところでした。今高知市でアメリカザリガニがいるところはほとんどありません。なんとか生き物が棲めるように工夫をしませんといけません。
 このままでは「乾ききった」都市になると思いますね。
 高知市は低地にあり、海も近い。南海地震の襲来も予想されています 。災害対策と自然環境保護は対立しないのでしょうか?
全く対立するものではなく、別の概念ですね。災害の予想される地域に住んではいけないと思います。
 本来人間は自然災害の少ない場所に居住すべきです。
 と言うことは、低地で沼地を土地が安いことで開発会社が買い取り 宅地開発すること自体が間違っているということですね。そこは水が流れ込んでくるから、常に浸水のおそれがあるということですね。
 そういうところは都市開発してはいけないということですね。
 私はそう思います。湿地は湿地の土地の活用の仕方があります。そこを無理やり開発して人が住むと災害も起こります。
 高知市の場合は、浦戸湾や河川に配慮した都市計画が必要であると思 います。河川は埋め立てられたり、暗渠にされたりして、道路に変化 してきました。
 河川や海の活用できない都市づくりをしてきました。その理由はどこ にあると思われますか?
既に暗渠になっている新堀川。 駐車場にされていました。これでは藻が生えず生態系は死滅します。日光が必要なのです。

 高知市の人口流入が予想以上に早かったことでしょう。
自動車道路優先の都市づくりは市街地の破壊ではないのでしょうか。
路面電車や自転車、歩行などを活用した都市づくりは高知市の規模なら可能であると思いますが。。。。

 現在の都市のあり方もまだまだ自動車道路優先の考え方が跋扈しているようなのですが。区画整理や自動車道路建設が行われていますが、見直しも必要だと思いますが、町田さんのお立場ではいかがですか?


 道路1本作る場合も何とか自然を残した道路をこしらえるべきだと思います。道路をつくるとき街路樹を植えますね。そこへ昆虫が来る。鳥が来ます。私たちはそれを求めているのではないでしょうか?癒しですね、癒しの空間を求めているのだと思います。
 確かに高知市の市民憲章推進委員会が、子供たちに「未来の高知市」という課題で図画を募集しましたら、殆どは川の中で魚採りをしたり、木へ上ったりした図画が、10年も、20年前も今も殆ど変わらず多いです。
 都市の中の樹木が植えられ、昆虫や鳥と戯れている絵が多いです。未来都市型の絵は少数です。それが子供たちが求めている都市の姿ではないでしょうか。
 子供自身がそれほど自然で遊んだ経験はないと思います。それなのにそんな絵お描くということは、いったいどういうことなのかを考えるべきでしょう。
 大人はそのようなまちづくりを意識すべきでしょう。
身近な問題として町田さんからの提案はありますでしょうか?
 
 今回シオマネキについてお話させていただきました。しかし現場のごみは凄いです。まずこれを撤去することですね。川の中の自転車とかオートバイとかこれを撤去することが、自然再生だと思います。
 
9月番組に戻ります