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ビジネスプランコンテストについて
今週のゲストは、高知大学理学部4回生の槙野秀俊さんです。お仲間の高知工科大学情報システム工学科4回生の五百蔵慎一さんにも来ていただきました。今日のテーマは「ビジネスプランコンテストについて」です。高知県商工振興課が、「ヤングベンチャー2003 龍馬発掘大作戦」と称して昨年開催されました。また槙野さんたちのグループは「ナイスプレゼン賞」を受賞されました。
このイベントの狙いは何であると思いますか?また継続性はあるのでしょうか?
槙野 2つあります。本当にビジネスとなりうるものを発掘して、高知にビジネスを成立させようというのがひとつの狙いです。もうひとつは、そういう事柄に今まで興味を抱かなかった学生達にも、別にビジネスを「起す、起さない」ということではなく、「そういう選択肢もある」というきっかけ作りのために身近にあればいいというのが2つ目でしょう
五百蔵さん、高知工科大学では,ベンチャー起業家を目指す,育成するプロジェクトも学内にあるやに聞いているのですが?応募状況はいかがですか?また「ヤングベンチャー大賞」を見学されていた感想などはいかがでしょうか?
五百蔵 大学のなかで起業を勉強している人も「ヤングベンチャー」に参加していました。
実際に見に行ったら、難しい内容もありましたし、「簡単なも」のもありました。槙野たちの内容も良かったと思いました。
高知工科大学キャンパス
高知工科大学授業風景
実際にビジネスになるアイデアがありましたでしょうか?
また今年提案されたプランはどのようなものが多かったのでしょうか?
情報系ですか、環境系なのでしょうか?
槙野 それが「ばらばら」ですね。それが良い意味でのばらばらもあるし、悪い意味でのばらばらもあります。審査基準がわかりにくいというのもあります。最初に言いましたように「ビジネスとして成立しうるアイデア」が良いのか、「着眼点」とか「学生の視点で頑張ってます」というのが良いのか、審査基準が曖昧でした。最後の選考に残った5つのプランもばらばらでした。田舎主義もあれば、IT系もありましたし、そんな感じで
主催者側の趣旨があいまいだということですね。それでは応募のほうも困りますね。
槙野 僕もそう思いまして、どっちのプランがいいのかなということで、2つ出しました。ひとつは田舎に密着、地域活性化のプラン。もうひとつは自分でビジネスになりうると思ったプランです。結果は、後者のプランが受賞しました。
今年はどんなプランがビジネスプラン大賞だったのですか?
槙野 最優秀賞は、「大豊(おおとよ)の糠を使った糠漬けセットの販売」でした。
槙野さんたちは「ナイス・プレゼン賞」でしたが、どのようなアイデアだったのですか?
槙野 大学を卒業するための単位認定がありますが、それを自動で計算してくれるシュミレーションソフトを作って売ろうというものでした。
サポーター企業とありますが、単なるスポンサーなのでしょうか?
ビジネスにしようという動きはありましたか?
槙野 ビジネスプランコンテスト本番は昨年の11月。。夏にありました「アイデアプランコンテスト」そっちのほうは「きっかけづくり」ですね。中間審査のようなものでした。そこは高知県のサポーター企業が審査委員になりました。最後の審査である今回の大賞は3年前から高知県庁が審査員を招聘していまして、全国的にもその分野の有名な人達でした。「2重構造」になっているので、一貫性がないのですね。自分達の関わり方がわからないところがありました。
今年からは地域密着型にしようということになるそうです。審査委員もベンチャーキャピタルが来ています。そういうところに、ベンチャーキャピタルが来ましても仕方がないと思いますね。はっきり別けるべきでしょうね。
ビジネスに限定するならば、応募者も高知に限定せずにすべきでしょうね。大賞も1000万円ぐらいにして、すぐ高知で「起業」してもらいとか。学生で就職などせず、いきなり経営者になるとかのほうが面白いですね。賞金が30万でしたらどうしようもないでしょうし。また、「マネーの龍」とありましたが、何のことなのでしょうか?
事業化が可能であると言うことなのでしょうか?
槙野 「マネーの虎」がオリジナル番組です。その類似品ですね。ビジネスプランコンテストの名前が「マネーの龍」ですね。起業家が投資家から投資をしてもらい、ビジネスにするのが本当の狙いであれば良いと思いますが・・・。
プレゼンテーションの様子(ビジネスプランコンテスト) 槙野さんと仲間の学生
 
大賞の賞金が30万ではビジネスは起せませんね。今は株式会社の最低資本金は1000万円、有限会社は300万円ですからね。1等が1000万円で、2等が300万円くらいでないと本当の「ビジネスプラン」にはならないと思いますね。
槙野 僕もそう思いますし。事実県外、たとえば岡山県が主催しているのは上限が1000万円です。もともと高知も100万だったのが、賞金額がだんだん減ってきました。ビジネスをつくりだすというところから、「学生のきっかけづくり」に目的が比重がシフトしてきています。来年はもっとシフトしまして、思い切ってそちらに専念すれば良いのではないかと思います。
授賞式の様子です。(ビジネスプランコンテスト)
きっかけづくりですか。1000万が賞金であれば、槙野さんも、五百蔵さんも就職などせずにいきなり経営者になろうと思いませんか?
五百蔵 ネットワークがあれば可能でしょう。それがありませんと高知での「起業」は難しいのではないのでしょうか?ネットワークが大切であると思います。いろんな情報がいるわけですから。お金を使う前にネットワークが必要ですね。
ということは、ある程度社会的に成功したおじさんが、「わしが保証人になるきに、お前が会社をやってみろ」という存在の人が現れたら、「この若者のビジネスプランを聞いて投資するかしないかを決定しよう」となりますね。
漫画の「美味しんぼ」でしたか、若い料理人の腕を見込んで、成功した企業人が出資をします。でもそれは「投資」であって厳しい目で事業計画や、構想を審査し、決定をします。華僑の世界でしたが、それが「起業」だと思いますが。
槙野 そうですね。現状の中途半端さは隠せませんね。本当にビジネスプランなら学生にこだわる必要はありません。応募者が高知にこだわる必要もありません。高知以外の人が「高知で起業する」ことを条件にしたほうがいいと思います。方向性を決めていただきましたら。
 
賞金が1000万、2000万となりますと県外ばかりでなく、アジア各国から応募来るのではないでしょうか
槙野 それでも100人、200人の雇用を生んでいただければ高知県としては良いとは思います。思い切ったことをしていただきたいですね。
そのあたりのコンセプトを明確にして、ビジネスプランコンテストを再構築すべきだというのが参加されたみなさんの感想なのでしょうか?
槙野 五百蔵 そうです。