都市と中山間部とのネットワークづくりとは?
  今週のゲストは、中嶋健造さんです。中嶋さんは会社に勤務される傍ら、いの町成山にて、棚田をこしらえています。
 今日のテーマは「都市と中山間部とのネットワークづくりとは?」でお話をお聞きします。日本全国中山間部は人口が減少、過疎高齢化が進行しています。高知県の人口も80万人を割り込みました。地域を守るためには、都市部との交流がなにより必要です。
 中嶋さんは「194元気塾」の事務局長をされていおられ、いの町の山間部の活性化に力をいれられています。
いの町の成山地区で、中島さんたちは棚田をこしらえられています。他にも同様の棚田が高知県各地にはありました。保全するには、経済的な仕組みが必要であると思います。都市と中山間部の交流の観点から、成功事例はありますか?
 成功事例はたくさんあります。高知県内でも梼原町が「棚田オーナー制度」というものをやっています。実績もあります。
 私たちもなんとか成山ですが、成山はほうとうに人が少ないです。都市部には人が沢山居ます。自分も都市部にいます。都市部は人がたくさんいまして目立たないです。人材であっても人材と思われていません。そういうところにストレスも感じるのです。
 田舎はみんな人材です。是非都会の人に、最終目標は住んでもらうことです。そこへ行くまでは、体験してもらう。交流する。一緒に地域づくりなり、田んぼをつくりなりをします。交流をします。だんだんファンになってもらう。そのような段階が必要であると思います。
 まだ私たちのやっている段階は体験をしていただいているところです。自分も一緒になって体験しています。「194元気塾」(いの町住民でつくっている地域づくり集団)も、都市と田舎の交流で田舎を元気にするいうことで活動しています。今そのステップについたところです。
 地産地費ということが言われています。既に高知市の日曜市やはりまや橋商店街の金曜市、あるいは産直の店、良心市のような形で存在しています。より大きな流れをこしらえるとすれば、他のどのような方法があるのでしょうか?
高知市の中心街での「日曜市」。
金曜市ははりまや橋商店街の名物です。
 今の流れを継続すべきでしょう。田舎には美味しい食べ物がたくさんあります。山間地でこしらえた食べ物、農産物は殆ど農薬も使用していません。安全な食です、こういう特色を打ち出したいですね。自分は都市に売りに行くのではなく、都市の人たちが現地へこられ田舎の風景の中でぜひ食べにき来て頂きたいのです。
 そういうところを目指したいです。街の方が着て頂いて体験し、宿泊もしていただいて、地元の食も食べていただく。それが自然だし、交流と食をセットにします。田舎で受け入れるためには担い手が大事です。そのあたりをどうつくるか。そのあたりを地元と協議しながら、地域づくりを進めているところです。
最近では都市部と中山間部のネットワークづくりの道具としてインターネットなど新しいメディアの活用が必要であると思います。最近ではblogなど簡単にホームページができる仕組みも普及してきました。ネットワークの道具としては活用できるのではないでしょうか。さきほど中嶋さんは「194元気塾」のお話もされていたようなのですが。。。
 はりまや橋商店街でのblogでの情報発信。手軽にその場で発信ができます。
 どんどんインターネットは活用して行きたいと思います。問題は内容です。「194元気塾」はいの町グリーンツーリズム研究会という下部組織をこしらえています。実は旧吾北村地域で7軒ぐらいの農家が民泊を始めます。都市の人が田舎へ来た時に泊まってもらうところをつくらなくてはいけません。
 もうひとつは自分が主体でしていますが、体験的な活動を田舎でどうするのか。今成山 でしている棚田保全のの田んぼ作る活動をしています。
 それからいの町は、旧本川村と一緒になりました。ここは焼畑が盛んなところです。森林も豊富です。旧吾北村、旧本川村地域では森林が多いので、間伐体験もしていただくようにします。都市部の方にアプローチします。旧本川村は吉野川の源流域です。下流域には徳島がありますし、分水して高知市や高松市も恩恵を受けています。
 そうした下流域の人たちに様々な田舎体験をしていただくべく条件整備に努めているところです。
成山での交流会の様子です。
囲炉裏を囲んでの談義は続いています。
 実現できるアイデアかどうかわからないものです。例えば、都市部の人たちに出資していただいて、「環境保全ファンド」のような仕組みづくりは可能ではないでしょうか?配当は地域の有機野菜や山菜などです。グリーツーリズムと絡め、レンタル別荘、レンタル畑なども組み込めないのでしょうか?
 良いですね。是非やりたいと思いますね。
 アメリカなどでは有機農家を消費者が支援するために、収穫前から契約栽培します。先に消費者が代金を農家に支払います。農業は天候に左右されます。有機栽培農家には安定収入になるわけですね。地域の農業を都市部の市民が保全しています。

 そうですね。労働だけではなくてお金も提供する。そのあたりのしくみづくりをなんとかこしらえてみたいですね。