「女性」を強調する報道の実態は? その1
 
 今週のゲストは高知女子大学学生の西森美菜子さんです。西森さんは大学にて「言語とジェンダー」を研究されています。
 今日のテーマは「女性を強調する報道の実態は?その1」でお話しをお聞き増します。
地元新聞の読者欄へ私が投稿したことがあった関係で西森さんからお手紙をいただきました。主旨は「報道における言語とジェンダーについて」調査をされているようでした。その調査結果はいかがでしょうか?

 おかげさまで、多くの方にアンケート調査にご協力いただき、無事データとして、まとめるあげることができました。ありがとうございました。

 詳しい分析はこれからですが、年代別、性別に分けてみていきます。詳しく考察したいと思います。
 残された時間もあとわずかになりましたが、頑張って仕上げたいと思います。

西森美奈子さん
 例えば私の子どもなのですが、あまり新聞は読みません。テレビ欄とスポーツ欄と天気予報ぐらいです。若い人に多いようですが、これは西森さん調査されるデータにははいらないのではないでしょうか?
 新聞から受ける影響の調査ですので、テレビ欄だけとか、天気予報だけというのでしたら購読時間が5分に満たないので、今回アンケート調査のデータとしては入れることが出来ませんでした。
 やはり20歳代、30歳代の方が、さっき言われましたとうり、アンケート調査を頼める人が少なく苦労しました。

 関連した質問をします。
先般の総選挙の時も「マドンナ候補」「女性刺客」「くの1」とかの報道が目立ちました。メディアに露出していましたのは、野田聖子さん、佐藤ゆかりさん、片山さつきさんなどでしたが、その現象にはどう思われますか?
 そうですね。今回、選挙で登場してきた女性たちと、同じ立場で、同じ意見・考えを持って男性が出てきても、あれほどの報道には当然なりませんし、それが、女性だから報道価値があるようなそんな感じを受けました。
 女性の政治への進出には、喜ぶべきなのでしょうが、単に話題性や、裏で、男性が道具として女性候補者を操っているとの見方もできます。
 政治への女性の進出はいいことですが、そのメディアからの報道の仕方には、まだまだ改める部分があると思います。
やはり政治の社会などは男性優位社会なのでしょうか?北欧などでは女性議員も多いように聞いていますが?
 日本の政治社会はテレビなどで見る限りにおきましても男性優位といえるでしょう。女性国会議員の割合は7%です。それに比べ、スウェーデンでは45%が女性議員だそうです。そのほか、行政や管理職でも女性の占める割合は日本では低くなっています。
 主に新聞の調査のようでしたが、メディアは新聞だけではありません。テレビや雑誌やラジオ、最近ではインターネットなどもあります。そのあたりの「傾向は」いかがのように思われますか?
 今回ご協力いただいた、アンケートでも新聞以外の情報源はとの問いには、テレビと回答してくださった方がどの年代でも多かったです。年配の方でもインターネットから情報を得ている方がだいぶいらっしゃいました。
 新聞よりも、テレビや、インターネットに接する時間のほうが今は長いという方が、大半だと思います。テレビCMやドラマでは、男性が食器洗いや料理をしている場面が見受けられるような傾向にになったなとは思います。
特に週刊誌などは「女子」とか「美女」とかを見出しに強調するように使用していますね。
 
 週刊雑誌や、スポーツ新聞などのほうが、西森さんの言われる「女性」をことさら強調する表現が露骨なのではないでしょうか?若い女性はあまり読まないとは思われましけれども・・。「女性ゴルファー」「美女アナウンサー」とか・・。ふんだんに使用されていますけれども・・・。
 そうですね。多いですね。週間雑誌や、スポーツ新聞はある程度、購読者であるターゲットを絞っていますからね。雑誌なら、それぞれの年代に合わせたものがあるし、逆に新聞だと小学生から年配の方まで読みますから、表現や、内容が制限されてきます。
 スポーツ紙は、やはり、男性を購読者に想定して作られていると思うので、女性表現の頻度が多くなっているかもしれません。今回は、スポーツ紙取り上げませんでしたが、一般紙と性別冠詞に関して比較すると面白いかもしれませんね。
 これは「おかしい」という表現はありましたか?またそれはどうのように表現されるべきなのでしょうか?

 性別冠詞で言うと、アンケートの項目にもあげましたが、「女社長が会社員に殺害された」という主旨の見出しがありました。そのなかで新聞に載ったときは、「何で社長だけに「女」という性別をつけ、会社員にはつけないのだろう?」と思いました。


 性別冠詞がついていないのは、一般的に「男だ」とされているためだと思います。そこは男性が基準とされているからですね。しかし、この見出しから、会社員が女性であると思ったアンケートの回答者もいらっしゃいました。紙面のスペースの関係もあるとは思いますが、社長、会社員ともに性別冠詞をつけるか、この際性別冠詞をつけないようにするか、統一すればいいと思います。