エンターテイメントの偏差値が高いまちづくりとは
今週のゲストは、DUKEで企画やプロデュース、サイト制作管理をされている尾崎真澄さんです。今日のテーマは「エンターテイメントの偏差値が高いまちづくりとは」です。
 ディズニーランドは世界的なテーマパークです。ゲートをくぐるとその先は日常空間から隔絶された別世界です。それは「エンターテイメントの偏差値が高い」証拠です。都市空間において実現は可能なのでしょうか?
エンターテーメントの専門家の立場から見て、高知の自然、風物、歴史、建物、人物など「売り物」になるものはあるでしょうか?
そうですね、毎年1回葉山村の酒蔵ホールでコンサートをします。来ていただいたアーチストは一応に山や川の美しさや自然の豊かさ、人の温かさや、酒蔵ホールに残っている古い建物の懐かしさに感動して帰っていただいています。やはり昔ながらの風景が高知はたくさん残っていると言うのは大きな財産だと思いますね。
歴史を感じるイメージをうかがいました。
 
尾崎さんが考える「ときめく街角」というのはどういう条件の都市でしょうか?
そのためには何があったら良いと思われますか・高知市を考えて場合どんなものがあったら良いと思いますでしょうか?
そうですね古いものと新しいものがうまく共存している街が良いと個人的には思います。仕事する立場で言いますと高知で足りないものは、箱と言いますか、大規模コンサートできる会場が足りないと思います。
例えばSMAPのような動員力のあるアーティストは高知へ来れないのは、箱(会場)がないことにつきるのでしょうか?
そうですね。例えば四国で一箇所コンサートをしようということになりますと、愛媛県松山市の3000人収容の県民文化ホール、2000人の香川県高松市の県民文化ホールを想定します。高知(最大1500人)はその後に考えるようになります。徳島県は徳島市のアスティとくしまという5000人収容のコンベンションホールもありますし。四国で一箇所ということになりますと、高知ははずされてしまうことになりますね。
ということは、四国エリアでコンサートを企画し、プロジュースされていますDUKEさんの本社は高知なのに、高知を避けて文化が伝道されると言いますか、高知は「過疎化」するのではないでしょうか?恐ろしい現実ですね。
香川県さぬき市野外音楽広場テアトロン
大きい会場がないから大きなコンサートは出来ません。1500人の県民ホールで呼べるアーティストだとか、ライブハウスでやれるアーティストはどんどん呼んできたいと思います。よく高知のお客様から、「高知にはなんで○○は来ないのか?」と聞かれます。
四国で1箇所となると、集客,交通の便を考えますと愛媛、香川になってしまうのは仕方がありませんね。
やはり公共交通機関や使い勝手、など総合的な要素がありますね
四国で一箇所やるとしますと、「集まりやすい」場所ともなりますと高知ではないですね。香川、愛媛になりがちですね。中国地方からの集客も出来ますね。
高知での興業の困難さはよく理解できました。尾崎さんにお伺いしますが、「高知にどうしても来たい」「高知が好きだ」というアーティストはいるのでしょうか?竹田鉄也さんが坂本竜馬が好きだというのはわかりますが・・・他のアーティストはどうなのでしょうか?
結構若いバンドの人達で、坂本竜馬が好きだから来たいとかいう人達はいます。鰹のたたきが食べたいから高知へ来たい。あるいはサーフィンがしたいから高知へきたいとかいうアーティストもいます。
それは大きなポイントになる話ですね。
そうですね四国で一箇所となります。一箇所なのに高知というのは、あまり考えにくいです。来るアーチストにすれば、高知へ来たいという人は多いです。今年結婚され妊娠されコンサート活動を休止される元ちとせさんとかは高知の好きなアーチストです。昨年来られましたが、高知だけのツアーでした。
元ちとせさんは奄美大島のご出身ですね。
キャンペーンなんかで高知へ以前にも来た事がありまして、高知を好きになってくれたのだと思います。あとUA(ウーア)さんとか、若手バンドの人などでも、坂本竜馬が好きだとか、そういった理由で来る方もいます。
尾崎さんから見て「エンターテーメントの偏差値が高い」都市はどこでしょう?
日本と海外の都市の事例を挙げていただけませんでしょうか?
都市ということではありませんが、冒頭にディズニーランドの話がありました。去年春野でのディズニーオンアイスの仕事に携わりました。そのディズニーのポリシーと言いますか、お客さんに楽しんでいただこうという考え方は凄いと思いました。キャストとスタッフが凄い熱意をもってお客さんに楽しんでもらう姿勢がありました。それにお客さんが感動してその感動が、スタッフやキャストに伝わっていくというトライアングルといいますか、三位一体的な盛り上がりを感じました。
それだけプロだなということですね。
そうですね。プロフェッショナルですね。エンターテーメントというのはこういうことなのだなと思いました。
ディズニーオンアイスは世界興業されているのでしょうか?
そうです。日本でも20年近くやっていまして高知は初めてでした。
ディズニー側の高知の印象はどうだったのでしょうか?
一応にまた高知へ来たいと言っています。とても楽しかったと言っています。会場が小さいせいで、お客様とスケーターと近かったのでこの20年間こんな感動はなかったとも言っておられました。
公演するほうにしてもすぐに反応がある。感動する、拍手をすることがすぐに反応があると乗ってくるものなのでしょうね。
乗った感動がお客様に伝わった相乗効果ですね。
やはり土佐女子高校の効果なのでしょうか?
凄かったですね。何が登場してもワーワーキャーキャー言っていまして、スタッフの人達は笑った居ました。受けていましたね。だから普段は注目されないスケーターも張り切っていましたし・・・。