文化と歴史の町に
  今週のゲストは、「NPOーYASU海の駅クラブ」代表の塩井政利さん、事務局長で夜須町公民館館長の安芸誠一さんです。今日のテーマは「文化と歴史の町に」です。
 1987年から工事の始まった手結マリンタウン計画。港湾整備、海岸整備、道路整備などあらかたの土木公共工事は終了したのではないでしょうか?
 ヤ・シーパークは大変な賑わいです。お洒落な海浜公園として四国のみならず、中国、関西方面にも認知されつつあります。設備だけでなく、人の交流などで注目されていることはありますか?
安芸 おかげさまで「道の駅やす」とヤ・シーパークには昨年、データで確認できる数字では50万人以上が来訪いただきました。ご指摘のように設備だけでは駄目で、施設を生かしたソフトが今後は必要になります。
 塩井さんに伺います。夜須町は幅が狭くて、奥行きが広い町です。山のほうを生かした考え方も必要ではないでしょうか?
塩井 夜須町はご承知のように「うなぎの寝床」のように、両側が山で、細長く北に16キロもある町です。山と海はきっても切れない仲です。水の綺麗な山を取り戻して、活性化することも必要です。夜須町がヤ・シーパークを利用して活性化するためには、北側に観光スポットや楽しい場所ができれば良いと常に思っています。
 夜須町に羽尾というところがあります。あそこまで上がって行きますと、谷あいから見える海の風景は綺麗です。そこに残された財産と言いますか、お寺とか、高山植物もありますし、全然知られていません。そこらあたりを生かしていきたいと思います。
夜須町北部羽尾地区にある禅寺長谷寺
安芸さんは公民館長でもあります。今年もコンコード・ジャズフェスティバルがありますね。。今年のアーチストはどうでしょうか?
他の開催都市は大都市ばかりです。札幌、岡山、東京、大阪、名古屋、等など。夜須町公民館は目だっていますよ。もっと町民の人に来ていただきたいのですが。

安芸 そうですね。わたしも昨年10月1日付で公民館長になりました。その時にこの企画が来ました。

今回は「ジム・フォール」というギタリストが来られます。企画した当時はわたしはジム・フォールを全然知りませんでした。どんどん調べますと「凄い人だ」ということがわかりました。

この人は1930年生まれで今年73歳です。ギターをされている人に聞きますと「天井の上の人」だそうです。今チケットを公民館でも発売していますが、電話の応対をしていますと「夜須町のような小さな町に来るんかい」という話も出ていました。びっくりしているのが本音です。

6月14日(月曜日)に夜須町マリンホールで開催します。みなさん来てください。
 この間からCDを聞いていますが、ジャズと言っても心地よいメロディです。必ず満足されると思います。

今回3500円という金額は安いですね。
安芸 夜須町公民館20周年ですからね。
塩井 世界のジャズの雑誌にも「japan yasu」と掲載されています。夜須はもっとそれを活用しないといけないですね。
 夜須の歴史的な文化資産と言えば「手結の盆踊り」です。
手結の盆踊りについてお訪ねします。阿波踊りと同程度の300年以上の歴史があります。踊りは子供たちも参加して素晴らしいと思います。
 盆踊りも演奏はカラオケ状態ですが、実際に楽器で演奏し、詠いもすれば価値があると思います。そうなるためにはどうすれば良いと考えますか?
塩井 つい数年前までは地元の人が歌って、生の楽器でお囃子をしていました。後継者がなかったのか、最近はテープになっています。ところが最近夜須中学が、沖縄に修学旅行に行っています。向こうもなんかしてくれるから、こちらもなんかやろうということで、手結の盆踊りをやろうとなりました。テープを持っていくのかなと思ったのですが、音楽の先生が、こちらで教えて生で演奏するようになったそうです。聞いてみたいものです。そういうことがきっかけになり、元のスタイルになれば良いですね。
伝統はしっかり継承されています。
手結盆踊り
確かに徳島なんかは伝統の人形浄瑠璃なんかは、高校生などに継承されていますね。そうなれば「財産」になりますね。
安芸 一番難しい大きなテーマであると思いますね。伝統的なものが後継者不足に悩んでいます。それを誰かが伝えていかなくてはいけないのですね。ということが大きなテーマになりますね。
 わたしも以前手結の盆踊りについて調べたことがありました。江戸時代の初期、野中兼山によって、手結港が掘割工法で難工事の末建設されました。その時の犠牲者を伴う名目で手結の盆踊りが始まりました。一揆の恐れがあるということで当時の土佐藩はすべて盆踊りなどを禁止していましたのに、手結の人達は藩主を説得して盆踊りをやり続けてきた気概がありますからね。貴重な文化資産ですね。なんとか継承・発展していただきたいと思います。