安田純平さんイラク現地報告会(その6) 会場参加者との質疑応答
音声が聞けます
(司会)

 せっかくですからですから、安田さんが少し時間がかまわないというので、質問のある人いませんか?手短にお願いします。マイクを持っている高知大学の学生さんよろしくお願いします。
 それからアンケートですが、お時間の制約のある方記入してください。そちらのかたおねがいします。

(質問者)男性

 すみません。今日の報告された内容と少しずれますが、報道の信憑性ということで安田さんにお訪ねします。外務省の奥参事官ともう1人の方がイラクで亡くなられました。その時に関しては、新聞では国葬ですまされています。そのことに関してはどうこうはありません。

 他の観点ではテロで殺されたと言うよりも、米軍の誤射で殺されたんだと。米軍の兵士も言っているらしいのですが、テレビ朝日の「パックイン・ジァ-ナル」での放送を聞いたのですが。
 こちらの高知新聞などでもそういう葬儀をされたの報道で。テロによって亡くなられたということになっています。安田さんご自身のお考えをお尋ねする気はありません。
 
 現地の方におられて、安田さんが耳にされた情報と言いますか、その事件に関して見聞されたことをお尋ねしたいと思いまして。
(安田純平氏)

 そうですね、はっきりした事実関係は、米軍とか聞かないとわからないです。今でも怪しいと言われています。現地の噂は陰謀説が一杯流れますので、陰謀であるとか。
 本当に2人が居れば、本当にこんな下手な状況にはならなかったと思いますね。今回の件(香田証生さんの事件)でも2人がいればもっと情報がはいったでしょうし。

 2人がいたかいなかったか。違ったと思います。井上さんとは戦争前に一度お話をしまして、本当に、現地の目線で動ける人で。ホテルで彼がアラビア語で喋っていましたら、本当にイラクのアラビア語が凄く上手いらしいです。
 彼は本当に日本人と言われたぐらいで、溶け込んでやられた人でした。残念だなと思います。現地では普通に陰謀説が流れていますので、
 証拠、物的な証拠は示していませんからね。ないから、カラシ二コフの銃弾が見つかったとの発表はしていますけれども、実物は出していません。

 遺族の気持ちを考えると言って。中途半端な気持ちがします。なんとも言えないですね。それ以上は。

(司会)あともう一方いらっしゃったのですが・・・・。
(質問者)女性

現地にいたからこその貴重なお話いろいろ聞かせていただきまして、大変貴重な機会を得たと思っています。それで、ユーモアも交えてお話をしていただいた部分もあったかと思いますけれど、人の命が重いと言っている中で、ご自身の命もすごく重いと思うんです。
 家族の方も心配されていると思いますし。

 さきほどの話のなかで「100人で行けば大丈夫。」と言われていましたし、旅行保険もあると言われましたが、実際私が、何かしようと思っても100人であってもイラクに行くことを想像するとすごく恐ろしいなと思いま
 死ぬかもしれないと気持ちがあるからですね。安田さんが、自分自身も「死ぬかも知れない」を部分を持って、イラクに行かれるのかなと想像するのですけれども。そうまでしてそういった現地へ足を運ぶということや、ジャーナリストとしての仕事というものを安田さんご自身は、どのように考えて、感じているのかお聞きしたいなと思いました。
(安田純平氏)
 はい。えーと。まだ現地に入るには、やっぱり技術が必要なんで、1人で入る場合と、100人で入る場合では全然違う技術になるんで、可能性いくと100人のほうが高いかなとほんとにどうかなとという話しです。
 本当に私は開戦前からいましたので、日々情勢が変っていくのです。大使館がまず逃げ、日本のメディアはどんどん逃げていく。死ぬぞ、死ぬぞと言いながら逃げて行くのですよ。
 今度の戦争は、凄くやばいだろう。と噂が流れる中で、現地で取材をしてましたんで、死ぬかも知れない話は、1年前にかなりやったので、う〜ん。まあ、なんかあった場合は、なんかあったで仕様がない。
 言うのはありますよね。捕まって人質というのは、さすがに避けたいところです。でも爆撃なんかで死んでしまうのはしょうがないところというか、現地の人はそういう風に生活してますんで。それはそこに人がいる以上は、行かなくちゃいかんというのが私らの仕事ですし。

 そういう場所で、どんな風に人が生きていて、どんな風に生き延びようとしているのか。というところを見るのが、凄く面白いというのがあるわけでして。
 なんかあった時は、運が悪かったと思うしかないかな。爆弾が横に落ちるか、自分のほうへ落ちるか。銃弾が通り抜けるか、当たるかみたいな話しになって、事故みたいなもんですね。

 交通事故みたいなもので、爆弾よけられないですんで。だから空爆なんかあって、ほんとに近くに落ちて、地面が揺れますし、爆風がば〜んと来て、ガラスなんかも割れますし、本当に心臓が飛びでそうな感じになるんですけど、よく考えるとよけられないじゃないですか。

 よけられない。当たれば即死だし。交通事故みたいなものだから。別にいいかなとか。即死だったら、別にいいかなと思っちゃうし。そう思うと凄く落ち着いて、熟睡しちゃう。
 そういう感じで。空爆とかはそんなに怖さがなかったですね。

 そうまでして現地へ行くのは、やっぱり現地が面白いから行っているわけですし。生活しているんですよ。人が。月面なんかに行くのと全然違うわけで、そこでの暮らしがあって、すごく人間らしいところも凄く見えてきて、大変な状況なのに、全然関係ない人間を助けてくれるような人もいれば、もうなんとか生き延びようとして、嘘ばかりつく奴。人間なんかもいたりして。

 人間臭い部分が見えてきて、そういうところを見るのは、面白いというのが、ありますよね。それはまあ個人的な部分で、倫理的に言えば、日本政府が参加している戦争ですので、見なくちゃいかんと言うのはあります。

 やっぱり今時のメディアの人間も、殆ど戦争を知らないのですね。もう60年前。偉そうに戦争をうんぬん言っていますが、殆どの人が戦争を知らないのですよ。そういうのがあるので、なるべく若いうちに現場を見ておこうというのは、やっぱりあります。

 その後の人生に何かしら影響があれば、それはそれでいいかなと。物の見方に何かしらの影響があれば良いかなと。のもありましたし。そんな感じなんですけれど。

 だから要するに、100%と安全というのは、戦争をやっている場所ではありえないんです。というなかで、リスクをどこまで減らすか、という努力はするけれども、減らせる部分は殆どない。

 そんなにないです。それでも入らなくちゃいけない理由はあるのかという部分で、入っていくのが一応、私らの仕事かな。現場の好きな人が、現場へ行く。ぐらいしかないですね。

 現場がかどうかは、ほとんど趣味の問題なんで、嫌な人は行かないほうがいい。現場がすべてではないんで。やっぱり現場に行かないと見えない部分が、一杯あるんで、見なくちゃいけないというのがあって、行った。

 よろしいですかね。こんなんで。恐らくジャーナリストの感覚というのは、殆ど理解されないものだと思っていますので。

(司会)  最後にもう一方、前の女性の方・・・。マイクをまわしてください。
(質問者)女性
 あの本当に、貴重なお話ありがとうございました。それで日本にいる私達が、どうすればいいという風なことを私達は考えないかんと思います。
 3人の方の時には、署名を集めて送りました。今回は、ただ政府に「香田さんを殺した犯人は政府だ」と抗議を送っただけでした。
 周囲の方は「行くき、いかんよね」「アメリカがおこした戦争。」「参加している戦争やない」。ということで、私達はステッカーを車に貼ってます。
 「戦争反対」「9条守れ」。それから「戦争をしない首相を」「自衛隊はイラクから撤退」ということと。
 やっぱり災害に対しては、ちゃんとした働きを。今の自衛隊ですよ。自衛隊に賛成ではありませんけれど、人、お金、物を災害に使う。香田さんを殺した共同正犯は日本政府である。やっぱり何か行動を起こさないと。ことぐらいしか出来ないんですけど、香田さんは、一体、私達に期待するものは何かあったら、教えてください。

 失礼しました安田さんお願いします。ごめんなさい。

 講演会当日会場を埋め尽くした参加者の皆さん1人1人が、真剣に安田純平さんの話しに聞き入りました。

 またイラク戦争に対する関心が高まったと、会場でのアンケート用紙に多数の参加者の人たちが記入いただきました。

(安田純平氏)
 まあ私は平和運動と言うものは、全然した経験がありません。活動する気が全然ないので、私がこうしたら良いというのはないんですけど。
 まずは関心をもっていただきたいなと。日本人が捕まるとすごく盛り上がって、解放もしくは、殺されてしまうと、またぱ〜と引いてしまう。

 はっきり言えば、」日本人がどうかという部分で関心を持つと言えば、それはまさにナショナリズムであって。はっきり言って、私現地にも友人がたくさんいますし、イラク人がたくさん死んでいることのほうが、凄く問題だと思っています。

 特別日本人だから騒ごうという気持ちはないので、毎回そういうとこを皮肉っているんですけど、まず関心をちゃんと持つことですよね。現地に対して関心を持っていないという状況の中で、悪化してこうなっているわけで。そこの部分の背景をちゃんと見ていかないといけないわけです。

 そういって関心を持っていただくと、私らも仕事が増えるで。そういうこともあってですけど。それから私、デモなんかにも全然興味がなくて。

 どうなんでしょうね。だからまず戦争になると「日本人も死ぬんですよ」という感覚。がまず駄目。これまでの反戦平和もののなかで、結構そういう部分がありました。まさにその弊害なのかという気もしていますし。

 デモとかやって自分は意思表示をしたんだと満足してもしようがないところで。平和運動、イラク戦争については全く機能していません。完全に敗北ですんで。
 徹底的に戦争やってますから。そのあたりちゃんと考えなくてはいけないのではないかなと。何がまずかったんでしょうかというところをちゃんとしながら、戦略を練らないと。

 だから今現在、効果があるのは現場入るしか思いつかない。現場へ入る人間なので。アメリカのもともとイラクで始まった、「人間の盾」という戦争始まる前に。あれはアメリカの元海兵隊員が、湾岸戦争で従軍して、まさに劣化ウラン弾なんかを打ち込んだ人間が、同僚なんかの健康被害などいろいろあって、あれは俺はやったのか。今度はやらせない。ということで始まったのです。

 相手との関係などもうまくいきませんで、失敗しまして。それがまた集めようとしていますので、そういうのも面白いかな。え〜ま〜。そうですね。
 現場はイラクであっても、そういった戦争なんかを使いながら、日本国内を動かそうとしているので、はっきり言って、日本の中が凄く動いているんですよね。

 ああいう自衛隊を送って実績をつくって、はっきり言えば憲法を変えようと。集団的自衛権というものをしっかりつくって、同盟国のアメリカが戦争をやるときは、日本も参加しましょうと。参加することで、日米同盟強化。ならびに、なんだ復興ビジネスに参加しましょうというような、いろんな狙いをもってやっていく。

 そういうなかで、教育基本法とかも変えながらですね。えー。これ話すと長くなりますが・・。要するにこういう戦争を使いながらも、がらっと変えようとしているんですよ。
 最前線が教育ですよね。教育基本法を変えましょう。国会議員がこれからは「お国の為に死ねる人間を出す」とはっきり言っています。

 そういう方向に今やろうとしています。え。それから海外に自衛隊なんか行って、被害なんか出始めると、自衛隊に入る人間がいなくなってしまう。言うことで、どうやって兵力を維持するかと言うことで、言われるのが徴兵制なんですけども。

 徴兵制は憲法を変えないと出来ない。徴兵をやると、小泉孝太郎なんかも徴兵される。と徴兵制を組むとちょっと考えにくい。世界的な潮流を見ても、徴兵制じゃない。するとどういう人が来るかと言うと、アメリカなんかでは、貧乏人が入るのですね。

 貧しい人が入って、奨学金貰って学校へ入って、這い上がるチャンスが得られる。今の日本。所得の格差も広がっています。学校教育なんて、はっきり言って全然教えてくれませんので、数年前に3割削減しましたね。はっきり言って、話にならんのです。

 学校教育の中味自体は。ということで、まともに勉強するのは塾へもしくは、親御さんが教える。この「自己責任」になっちゃったんですね。というなかで、貧しい家庭なんかですとそういう余裕がないかもしれない。

 この裕福な人と、そうじゃない人と課、勉強できる人と、そうでない人とか。階層化がされてわけですよね。軍隊に入るしか道がないような、アメリカ的な方向に行くのかなというのが流れかなと思っています。

 その根底にあるのは、貧乏人とか、勉強できない奴とかは、そうやって、役に(国の)たちなさいという発想ですね。はっきり言えば。今の教育の方向と言うのも、もともとは皆、「自分自身の物を考えて、物を判断するところまで」までみんなが勉強して、考える力を身につけましょうというものでした。

 勉強できない人間はもういい。そういう人間、勉強できない人間に教えるのは無駄である。もっとエリートをつくればいい。というのが今の教育の方向に行っている訳でして。
 差別意識みたいなものですね。ということで、その辺の人権感覚を持つことが、ちゃんと持つことが大事です。

 それがまさに、子供達、その先の子供達ですね。イラクの子供達も凄く可哀相ですが、日本の子供達もこの先可哀相だという気がしていまして。だから実は、イラクの戦争ですけれども、利用しながら日本の中を変えようとそこまで、考えていかないと、いかんのじゃないか。

 という気がしています。だからイラクでうんぬんかんぬんしなくても、目の前で起きているものに、ちゃんと対処することが大事ですよね。ということだと思うのですが。
 

(司会) どうも安田純平さんありがとうございました。これをもちまして「安田純平さんイラク現地報告会」を終了させていただきます。ご参加された皆さんどうもありがとうございました。

 アンケートをご記入された上に、受付に出してください。また今日の講師である安田純平さんの書籍の販売も受付でしています。「囚われのイラク 混迷の戦後復興」(安田純平著。現代人文社刊)です。

 
講演参加者のアンケート内容を公表させていただきます。 詳しくは こちら から
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