まちづくりは人の和で
 
今週のゲストは夜須町長の清藤真司さんです。今日のテーマは「まちづくりは人の和で」夜須町は高知市から東へ車で25キロ、人口4281人(平成12年国勢調査)、面積39Kuの小さな町です。
 しかしヤ・シーパークが建設され、休日ともなると大勢の人達が訪れています。海水浴シーズン以外も賑わっています。しかしこの15年夜須町は対立の多い町でした。
 7月の町長選挙も大変な激戦でした。「顔見知り社会」である地域社会の対立はやっ  かいです。この15年間はなりふりかまわず町の大人たちが対立してきたように、私  のような町外者には見えました。町民間でぎくしゃくしたり、対立をしてはいけない  と思います。対立解消のアイデアはありますか?
選挙では真っ二つに分かれました。しかし今後は、誰もが公平に町政に参加できることが前提ですね。財政事情が今後ますます厳しくなります。そうした危機感を町民全員が感じていただいて、「地方分権時代の新しいまちづくり」にみなが協力して推進していくことです。
 また夜須町にはいろんなところに有能な人材がいます。適材適所に役割を果たしていただきます。特技も町政に生かしていただきたいと思っています。
 清藤さんは、住民参加の新しいしくみとして「NPOなどの活用」を言われています。
具体的にどのような分野での活用を構想されていますか?おかまいない範囲で、紹介いただけませんでしょうか?
、夜須町は昨年セーリング(ヨット)とゴルフを開催しました。ヨットも盛んになりつつあります。昨年競技で優勝された名倉愛子さんも役場の職員でいます。ヨットやカヌーやシュノーケルなどマリンスポーツが出来る環境を今以上に整備し、運営したいと思っています。ただ現在は行政が運営管理をしていますので、限界や無理もあります。NPOの支援事業として、考えたいと思っています。町内にはマリンスポーツ普及委員会もあります。それを中心に構想を練っているところです。
2002年高知国体セーリング(ヨット)競技の様子。夜須海岸沖です。
具体的には来年からスタートさせるのでしょうか?マリンスポーツ普及委員会と町と関係者でこしらえるのでしょうか?NPOは10人の発起人と定款なども必要ですし、申請から認可まで4ヶ月程度かかります。受け皿はそういう形になるのでしょうか・
難しいのは行政指導でこしらえたNPOはうまく行かない事例が多いですね。自分達がこうしなければいけないという形にしなくてはいけません。行政のサポートする具合がなかなか難しいのです。
ヨットの場合で言えば、ヨットの指導、管理、安全対策(レスキュー)などで、専門的な技量を持った人を雇用する必要があります。その体制をどう形作るかが問題ですね。
 旧手結海水浴場跡は有料駐車場になっています。また鉄建公団宿舎跡も改築して、マリンスポーツする場合の宿泊所にしたいと考えています。そこにも管理人がいります。マリンスポーツを利用する人に安価な値段で宿泊いただく施設にします。食事を出す体制はとくに考えてはいません。ヨットの艇庫の管理人も要ります。ヤ・シーパークのビーチの管理人も要りますね。「町が委託する」体制にしたいです。
旧鉄建公団宿舎跡
ヨット艇庫
前町長の時代が長く続きました。清藤さんは新しい町長として、前町長の業績に、どのような事業や政策を「付け加えたい」ですか?良いところをより伸ばすことをされたら良いとは思いますが?
 ヤ・シーパークやハーバーの整備、県下に誇れる公民館、港の整備、下水道整備など前町長が基盤整備をしていただきました。今後はその有効活用がテーマです。
 ヤ・シーパークには昨年年間35万人も来てくれました。たくさんイベントをして、たくさんの人が来られることに町民が自信をつけていくようになってきたと思います。それから発展的にヤ・シーパークで夏以外に集客する方法を考えなければなりません。またマリンホール(公民館)も立派な施設ですので、本物のアーチストが来てくれます。せっかくですので、子供達に本物のアーチストや音楽と接する機会を増やしたいと思います。
 施設建設・整備の「ハード」面から、施設の活用、最大利用の「ソフト」面の転換期が今ではないかと思っています。
 以前にも夜須町関係者には、この番組のゲストに来ていただいています。商工会副会長の丸岡克典さん。ヨットで国体で優勝された名倉愛子さんマリンフェスティバル実行委員会の皆様などです。マリンフェスチバルも手結盆踊りも大勢の人達を集めるイベントに成長しました。ヤ・シーパーク他立派な施設も出来上がりましたので、今後は清藤町長の時代により発展させることがテーマではないかと思いました。皆さんにお聞きしましてもその可能性を言われていましたので。
 丸岡さんも青年団時代からまちづくりをずっとなさってこられました。町内だけではなく、町外。県下一円の人達とのつながりを形成しています。今の若手の人達はそのあたりのネットワーク力が弱いようです。私としてはそのあたりを上手く繋ぎたいと思います。
 夜須町に人を呼び込むだけでなく、町外の人達とも相互に交流していく必要があります。そうすれば若い人を含めた元気のあるまちづくりが出来るのではないかと思っています。
 夜須町は高知県東部の開発と発展を考えた場合、「要」になるところだと思います。「夜須がこけたら東部がこける」と言われているように、責任は重いですね。
そうだと思います。気を引き締め取り組んでいきたいと思います。

住民参加の段階は8段階あるそうです。

一番上が住民によるコントロールで、一番  下が情報操作です。

「形式的な参加機会増大」が一番多いパターンです