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情報化社会と新聞との関係について
 
 今週のゲストは朝日新聞社高知総局の篠塚健一さんです。今日のテーマは「情報化社会と新聞との関係について」でお話を伺います。
 日本の新聞は世界に類のない高率で自宅へ宅配されています。しかし最近は若い人を中心に新聞を自宅で読まない人達が増加しています。インターネットは発達していますが、そのあたりは今後どうなるのでしょうか?
 若い人達は、「携帯でニュースなど読めるから新聞は自宅で購読契約は必要はない」といいます。それについて、記者のお立場でどう思われますか?
 抜本的には記者自身は原稿を書いて送るということは、新聞に掲載されても、インターネット版に掲載されても同じです。どちらでも読んでいただければ嬉しいというのが一番のもとにあります。
 新聞と携帯などのメディアがどう違うかと言いますと、新聞のつくりは紙で出来ています。価値判断。重要と思うものは大きく載っていますし、順序づけが紙面のなかでわかるようになっています。
 一覧表的に見れるということの感覚は、携帯なんかでクリックして見る感覚とは異なってものがあると思います。ニュースを理解するうえで役立つものがあると思います。そういう新聞の固有のよさもあると思います。

 最近weblogというものが出てきました。日本では今年に入ってから盛んになりました。weblogと新聞との関係についてです。
 アメリカでは「9・11テロ」の後、メディアの一方的な報道に疑問を持った市民各位がそれぞれにweblogを立ち上げ、情報交換していました。今年から日本へも上陸し、橋本知事などもweblogサイトを開設しています。

   http://daichanzeyo.cocolog-nifty.com/0403/(だいちゃんぜよ)


 weblogと新聞は「共存」できるると思われますか?対立すると思いますか?それとも共存すると思いますか?

weblogサロンの様子です(番組出演者交流会)にて
自己表現力向上講座にweblogは活用されました。
 そうですね。性質が違うのがひとつあると思います。weblogの場合は基本的には論評であるとか、日誌であるとかそういったことが主になってきます。
 新聞などの場合は、ニュースを伝える。一次情報に触れてまず記者が出してくるわけです。そこにはニュース性があるということでそこに違いがあります。
 「だいちゃんぜよ」に関して言えば、橋本知事はもっとも情報のある人ですから、そういう意味ではニュース性に富んでいます。こちらとしても参考になります。ニュースソースを持っていらっしゃる方が作れば相当の威力があります。
 「だいちゃんぜよ」の場合と今まで橋本知事は、メールマガジンとかホームページなどもこしらえれていました。なにか違う点などは感じましたでしょうか?取材されてどう感じられましたか?
 私が4月に高知へ来た時点で「だいちゃんぜよ」が出来ていまして、それしか見ておりません。
 こういうことをしている知事がいるんだな。ひじょうにフランクだなという気持ちはありますね。この間県議会でも質問で取り上げられたりされていました。なかなか話題になって面白いのではないかと思います。
 大きな企業の経営者がweblogをこしらえています。例えばライブドアの社長ニフティの社長のweblogも凄い人気サイトです。そのなかに「だいちゃんぜよ」も有名人のweblogのなかに入っています。そういうことはこの4月以降変わったかなと思います。橋本知事も活用しているweblogなのですが、篠塚さんも取材とか、意見を集める方法として活用できるものなのでしょうか?
 そうですね。考えたことはなかったですね。ネット自体は普及していますので、情報収集には使えますね。実際に新聞での取材活動になりますと、出来れば直接お話したいと思っています。会いたいですね。コミュニケーションを十分行い、真意を知った上で書きたいと思います。
 だからweblogだけで取材にはならないと思います。情報収集のツールとして使うのであれば、可能性としてあるかもしれません。今のところ検討する段階ではありませんね。
 新聞社の現場では、情報関係のツールはどのように活用されているのでしょうか?おかまい範囲でご紹介してください。
 私は1996年に会社に入りました。その年に初めてパソコンが導入されました。記事の作成がワープロからパソコンになりました。
 その当時は写真は暗室がありました。自分でフィルムを分解して,現像液と定着液に漬けて自分で焼くという作業を2年半くらいしました。
 その後デジタルカメラが入ってきました。今はすべてデジカメに変わっています。
 報道カメラマンの方が望遠レンズで撮っているカメラはすべてデジカメなのでしょうか?
 夏の高校野球選手権大会の県予選、明徳が優勝しましたが、すべてデジタルカメラです。
今や報道関係者のカメラもすべてデジタルカメラになっています。(2004年7月の参議院議選挙の取材の様子です。)
そうしますと取材現場の感じが変わりましたね。
 変わりましたね。格段に便利になりました。昔は撮っても本当に撮れているのか現場ではわかりませんでした。今はデジタルカメラですからすぐわかります。
 そのことだけでも記者としての精神的な負担は全然違いますね。
 速報性ということであれば、weblogなどで、記事を書き、写真も掲載し送信すればすぐ公開されます。そのままインターネットに載ってしまうのは新聞社の立場であればまずいのでしょうか?
 新聞社として取材しているということは、朝日新聞の媒体で記事を発表するのが大前提ですね。朝日新聞としていずれそういうツールを使うようになれば、そこでも公表出来る様になるかも知れません。
 現時点では取材で知ったことを、それ以外の方法で発表することは出来ません。私も記者として9年目です。取材と日頃していることの区別がだんだん曖昧になってきています。区別をして書くのは難しいと思います。
朝日新聞の媒体で記事を発表しています。
 橋本知事の「だいちゃんぜよ」も人気サイトになっています、篠塚さんの個人のweblogを作成すれば人気サイトになると思いますが。そういうことは今のところ難しいということですね。
 自分の個人情報ということは書けませんし。24時間取材体制になっているので基本的には難しいということなのですね。
 そうですね、記者はアンテナを張り巡らしていますので、情報を収集することはご飯を食べているときでも思っています。すべて取材で人生成り立っているようなところもあります。そういうところで区別が難しいなと思います。
 情報化社会の進展で新聞のあり方も変わると言うことがわりました。紙媒体は説明いただきました様に、廃れる部分があるが、残る部分もあると考えたらよいのでしょうか。
 比率的には今後はネットのほうが高くなっていくでしょう。完全に紙のほうがなくなるということに関してはどうでしょうか。僕は完全に紙がなくなるところまでは見えていないと思います。
  
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