24時間ヘルパーステーションの役割について
 
今週のゲストはアールシステム代表取締役の山本英雄さんです。今日のテーマは「24時間ヘルパーステーションの役割について」です。アールシステムの事業のなかに24時間ヘルパーステーションがありました。介護は確かに24時間体制がのぞましいと思います。人材、設備などでどのようにして可能にされたのでしょうか?
ヘルパーサービス事業は、大変社会的意義のある仕事です。わが社も介護保険制度の発足と同時に事業を始めました。医療関係者ではない民間のものが始めまして実際にやってみてあらためて大変な仕事であると思いました。
訪問介護のステーションのようですね。身体介護と、家事支援を行われているようですね。介護士やホームヘルパーの確保はうまくいかれていますか?
創業当時ヘルパーの確保に苦労しました。以前は病院には「付き添い」の人が、現在のホームヘルパーの仕事をしていました。資格を取得されて付き添いからホームヘルパーになられても、すぐに仕事になじめない人が多かったです。ホームヘルパーの場合はケアマネージャーがケアプランをたて仕事をします。そのやりかたに当初はなじめない方が多いようでした。できないから辞めますという人が多く、出入りが激しい状態でした。
介護を受けている人に迷惑かけないかと心配することが多かったですね。
私も昨年2級ホームヘルパーの資格を取得しました。施設介護よりも訪問介護のほう  が肉体的にきつかったです。相手に対する肉体的、精神的な気遣いも大変なものでした。施設と異なり訪問先は個別に条件が異なります。相手の家族もいます。期待度が高い割にはヘルパーの報酬は安すぎると思いました。報酬が1時間1200円〜1500円が報酬の相場だそうです。良さそうですが、労働密度、神経の使い方が違いますね。それに1時間1500円くらいの報酬ではとても生活はできないと思いました。午前中2時間、午後2時間、1日4時間ぐらいが限度だと思いました。
見直しは必要だと思います。ケアプランを立案するケアマネージャーは50人くらいしか受けつけができません。介護報酬が改定になりましたが、1人当たり7000円程度です。
50人なら35万円の介護報酬で介護サービスを実施しなければなりません。ケアマネージャーを雇用して、経費負担してといいますととても経営としてはなりたたないすね。
民間では機微石井ですね
ホームヘルパーが仕事として認知されていないように思いました。ケアマネージャー  の能力がすべてだと思いました。また介護を依頼するほうは安い負担を望みます。ヘルパーの負担が重い割には報酬が伴わないと思いました。
介護保険制度をこしらえたかたがたが、現場を十分認識されていないからだと思います。
収益事業としてなりたたないし、本気で介護の仕事を目指している人も、きつい仕事の割には報酬が伴わないというのが現状です。厳しい状況がずっと続くようですね。
介護保険制度が2000年にスタートしました。山本さんの24時間ホームヘルパーサービス事業もスタートしました。様々なお話をうかがいましたが、私は介護と言う仕事は、「最高のサービス業」と思います。ホテルマンの接遇態度と、セラピストの感覚も必要だと思いました。言葉遣い、気遣いも大事です。
 要求される理念は高いが、報酬が伴わないのが悩みだと思います。工夫をされていま すか?こうすればという点はありますか?
介護保険制度も4年目です。この4月に介護報酬の改定も行われました。なかなか実態に合わせた改定というまで行ってはいません。仕事の質や量にあったものではありません。
ホームヘルパー資格を取得されている人はたくさんいますが、実際に現場で働いている人は少ないのが現状ですね。
確かにそうですね。私もホームヘルパー養成講座で、「ヘルパー資格取得者は1級から3級までそれこそ何万人も居ますが、実際に現場で就労している人は、その3分の1以下」と聞きました。
そうですね。どうやって資格保持者が積極的に介護の現場に入ってくるか、真剣に考えなければいけないですね。その対策のひとつは報酬を上げることですね。それがありませんと仕事として、生活がなりたたないですね。それが駄目ならボランティアでやるしかないですね。ボランティというのは収入がなくてもかまわない人になりますから、極めて限定されてしまいますね。
どういう人達かといいますと、やはり年金生活者とか高齢者になりますね。なかなか身体介護などできませんね。
入浴とか排泄介助など身体的には大変で、ちょっと高齢の方がボランティアとしてされることは無理だと思います。相手の障害程度も個別に異なるわけで、対応するためには技量や応用力がいりますね。その割には評価が低く悔しい部分はありますね。
 ボランティというのではなく、他の仕事と組み合わせるとか、新たな仕組みづくりが必要だと思いますね。
施設ですと介護に必要な備品もそろっていますし、建物もバリヤフリーになっています。しかし訪問介護の場合は、そこでしか介護するわけですので、機材その他が揃っていません。そこをどのようにするのかが問題ですね。
訪問介護をしているところへは、訪問介護用の機材を開発して、国とかが、介護施設に安くリースするとかをしていただきたいですね。それをすべて施設側の負担でということになりますと経営がなりたちません。国も施設以外に訪問介護サービスをしているところにも介護用の機材をうまく整うようにしてもらいたいですね。
 在宅介護で入浴は大変です。施設ならリフトとか施設は整っています。それに対応する施設の開発も必要であると思います。
これからの介護のありかたについて、提案などがあればお願いします。
事業だけで介護をやるのは限界ですね。従来はすべて福祉でした。ボランティアで福祉をやりたい人は結構いらっしゃいます。NPOのような形ですね。
行政、NPO、事業者が相互交流して関わりあいを持つことです。
家庭の人も介護の研究をもっとしていただきたいですね。自分と同居している親をヘルパー資格を持っている子供が介護したら報酬がもらえるようにもなりました。きちんと介護の勉強をされたら、いいとおもいます。
介護保険制度も、現状が絶対ではなく社会の事情でどんどん改良されていくべきでしょう。
わたしたち1人1人も介護の勉強をすることが、大切です。