Q 昔ながらの藁葺き屋根に、トタン屋根をすっぽり被せてあります。その部分が錆びています。
錆びているトタン部分があります。2度ほどアクリル系の塗料で塗装してあります。またトタン屋根は塩ビのシートで覆われています。
サビ面、トタン面、アクリル塗料塗装面、塩ビシート面と多様な部位が存在しています。それらすべてにカーボマスチック15Jが塗装出来るのでしょうか?
A サビ面、トタン面、アクリル塗料塗装面へのカーボマスチック15Jの塗装は可能です。表面の目荒らしをし、サビ面は可能な限りサビ落としをしてください。
アクリル塗料面は、「活膜か、浮き塗膜」かの「劣化度判定(生死判定)」をされてください。
参考記事「付着力評価基準」
それで「活膜」であれば、表面を目荒らしをしてください。
「死んだ塗膜」であれば、丹念に除去してください。(どの塗料を塗装される場合でも除去してください。除去しませんと後で剥離します。)
塩ビシート面ですが、塗料は塗装できません。
理由は塩ビシートの含まれる可塑剤と塗料の相性が良くないからです。
本来塩ビ樹脂は硬い性質ですが、可塑剤を添加することで、自由に加工できるようになり、塩ビのパイプなど建築資材、土木資材から園芸資材、シートや包装用フィルムなどの包装資材まで汎用的に使用されています。
屋根材に使用されている塩ビシートが貼られた鋼板も、発売当初は「メンテナンスは不必要・塗装は不用」という「夢の素材」でありました。
登場してから20年ぐらい経過して、いざメンテナンスの時期になりますと、普通のトタンや亜鉛引き鋼板のように、塗料を塗装して防錆塗装ができないことになりました。
塗料に含まれている溶剤分が塩ビシートの可塑剤を溶かしたするので、結果的に付着を阻害したりするようです。
カーボマスチック15Jも「塩ビシートには塗装できない」との結論です。