防錆Q&A

防錆Q&A

鉄塔塗装について

Q  カーボマスチック15Jとカーボマスチックカラー2の使用用途(使い分け)について教えて下さい。
 私の所属する部署)は、通信設備の保守業務を行っております。
今回、マイクロ波無線鉄塔(紅白鉄塔)の塗装工事が発注され、下塗り材にカーボマスチック15Jを塗るよう工事仕様書 に謳われておりました。
 しかし、現場において塗装業者が紅白鉄塔には通常、カーボマスチックカラー2を塗っているということで、カーボマスチックカラー2で下塗りを済ませました。

 カーボマスチック15Jとカラー2はアルミの粉含有という点に違いがあるようですが、その違いは塗装後に何らかの影響をもたらすものなのでしょうか? 教えて下さい。

※ちなみに、上塗り材はカーボコートタワー16(黄赤・白)を予定しております。

 

 

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A  工事仕様書も塗装業者も正しい指示と、正しい施工をされています。それはカーボマスチック15Jの歴史的経緯を説明いたしますとご理解できると思います。
 
1)最初はカーボマスチック15Jシルバー(現在はアルミ)しかありませんでした。

2)錆止めの役割として下塗りに、送電鉄塔塗装では1回塗り
  工法で外部にも使用されていました。
3)米国と異なり、刷毛塗り塗装の比率の高い日本では、上塗り
  のウレタン系塗料は淡彩色の場合が多く、下塗りに白色、
  あるいは上塗り色より薄めのカーボマスチックが要望され
  るようになりました。
4)誕生したのが、「カーボマスチックカラー2」です。
 
 
「カーボマスチック15J」と「カーボマスチックカラー2」の相違点は、「アルミの粉」の有無であります。
 カーボマスチック15Jもカーボマスチックカラー2も、浸透性エポキシ塗料です。錆面への浸透性と付着に優れ、防食効果に優れています。

 どちらの塗料も「弱いのが紫外線」です。半年もすると白亜化(チョーキング)します。
 カーボマスチック15Jは、アルミの粉が入っているために、「チョーキング」が目立ちにくいのです。
 送電鉄塔1回塗り工法が各地の電力会社様に採用されました。上塗りをしませんので、カーボマスチック15Jが指名され続けています。

 一方カーボマスチックカラー2の場合は、電力会社様におきましては、変電所関係の機器類に採用になっています。
 カーボマスチックカラー2を塗装し、カーボタン234HS(厚膜ウレタン塗料)を塗装する仕様です。
 
 長くなりましたが、カーボマスチックカラー2はそのままで終わりの仕様でなく、必ず上塗りを塗るものなのです。

 厳密に言えば、カーボマスチック15Jは刷毛塗りで70μの膜厚が得られ、カーボマスチックカラー2は60μです。10μの差はアルミの粉の含有有無と思います。

 性能は僅かにカーボマスチック15Jが良いと思います。カーボマスチックカ ラー2は必ず上塗りを塗装しますし、チョーキングの心配もありませんから、性能面での優劣は塗装仕様としてはありません。(一般のJIS規格の油性錆止め塗料は30 μ、他メーカーのエポキシ系錆止め塗料の膜圧は刷毛で30μから50μが限界ですから)工事仕様書も施工業者も正しい選択をされています。