防錆Q&A

防錆Q&A

気化防錆紙について

Q  NP-VCI-Dは鉄鋼用、NP-VCI-Sは銅系用とあります。

(1)もし黄銅に対してNP-VCI-Dを使用した場合、問題ありますか?

(2)気化防錆剤を含漬させているという事ですが、その化学成分表を参考に頂きたいのです。もし、無理ならば、リン成分が含まれているかどうかだけでも教えていただけませんか?

(3)弊社は電子部品を製造しています。セッテン材に黄銅を使用していますが、顧客で接触不具合問題あり、プレス前の原材料を確認すると
変色が見られます。不具合品の分析では、セッテン表面からリン化合物が検出されています。

 この原材料変色のものがリン化合物かどうかはわかりませんが、それがこの防錆紙自体に含まれているものかどうかを確認したいのです。

 

 

A

np-vci-d-dk-6.jpg

 ご質問は三項目でしたので、それぞれ質問を表記し、回答させていただきます。


> (1).もし黄銅に対してNP-VCI-Dを使用した場合、問題ありますか?

 悪影響はありませんが、効果もありません。
使用することで逆に酸化、変色を促進させることはありませんが、抑制効果もありません。
対してNP-VCI-D中のアミンが銅系統にはアタックしてしまい、何もしないより悪影響となってしまいます。


> (2).気化防錆剤を含漬させているという事ですが、その化学成分表を参考に頂きたい 
>のです。もし、無理ならば、リン成分が含まれているかどうかだけでも教えていただけませんか?

 リン成分は含まれておりません。
 化学成分表は社外秘でお見せすることができず、申し訳御座いません。

>(3)弊社は電子部品を製造しています。セッテン材に黄銅を使用しています
>が、顧客で接触不具合問題あり、プレス前の原材料を確認すると
> 変色が見られます。不具合品の分析では、セッテン表面からリン化合物が検出されて 
います。
> この原材料変色のものがリン化合物かどうかはわかりませんが、
> それがこの防錆紙自体に含まれているものかどうかを確認したいのです。

 よくある質問ですが、典型的な「リン酸処理の洗浄残さ」ではないでしょうか。
メッキ前処理、防錆処理でリン酸処理を行いますが、それの影響かもしれません。

 もしくはどこかの工程で使用した「リン系統のもの」が最終洗浄工程で除去されず、残っているか。

 通常の環境下で不具合の原因となるような「リン化合物」は存在しない
ので残っていたか、持ち込まれたかでのいずれかと推測されます。

 参考 「気化防錆紙」について https://www.nc-21.co.jp/products/rp-system/

 以上です。