防錆Q&A

防錆Q&A

塗り替えを計画していますが、古い塗膜の剥げや錆が出ている箇所もあるが、しっかりと残っている塗膜もあります。錆落としをどの程度にするかを確かめる方法はありますか?

Q 塗り替えを計画していますが、古い塗膜の剥げや錆が出ている箇所もあるが、しっかりと残っている塗膜もあります。錆落としをどの程度にするかを確かめる方法はありますか?

 

 

A  目視だけの判定では見極めがつかない場合があります。
その場合旧塗膜の付着力を確かめます。

旧塗膜の「劣化度判定」(生死判定)はとても簡単です。
カッターナイフとセロテープと定規、もしくは碁盤目カット板(5ミリ幅の溝状にカッターナイフを裏まで通した板。裏面に磁石をつけ、鉄面には付着させることができます。)

ある現場での「付着力評価基準」を実際にテストしてみました。

5ミリ幅の碁盤目を縦方向に4列、横方向に4行旧塗膜をカッターナイフでカットします。そして形成された9つのマス目の状態をチェックし、テープを貼り、後で剥がします。旧塗膜の劣化度(付着度)判定を行います。

 
1)付着力は良好に保持されています。

旧塗膜は活膜です。その場合は表面が硬くなっているので、ペーパーがけなどの比較的軽めの素地調整をします。
*クロスカット残存率 100%

 
2)付着力がわずかに低下しています。

旧塗膜はほぼ活膜とみなしてかまいません。ただ付着の弱い箇所は塗膜が死に掛かった状態です。素地調整はその箇所は入念にしてください。

*クロスカット残存率 80~90%

 
3)付着力がかなり低下している。

この状態の旧塗膜はかなり弱り付着力がないとみなさないといけません。 
入念に素地調製すればかなり旧塗膜は剥げることでしょう。剥げた部分の素地調製はより入念に。活膜部分は活用して軽めの素地調整をしてください。

*クロスカット残存率 65~75%

 
4)付着力が目だって低下している。

この状態では電動工具などを活用して入念な素地調整が必要です。
旧塗膜の付着性低下だけでなく、錆も発生している確率が高いので、より入念な素地調製が必要であります。

*クロスカット残存率 30~50%

   
5)付着率が著しく低下している。 

この状態は旧塗膜は完全に「死んで」います。
全面的に旧塗膜を剥がしてからでないと再塗装できません

*クロスカット残存率20%以下